株式会社CrowdChem、プレシリーズAラウンドにて2.9億円の資金調達を実施した
uniqorns編集チーム 2024.09.11
株式会社CrowdChemは、プレシリーズAラウンドにて2.9億円の資金調達を実施した。本資金調達は、PKSHAアルゴリズム2号投資事業有限責任組合をリード投資家とし、HIRAC FUND2号投資事業有限責任組合、ほくりくスタートアップコミュニティ投資事業有限責任組合、北陸地域ベンチャー投資事業有限責任組合、ANRI5号投資事業有限責任組合からのエクイティによって実現した。
この資金を活用して、同社が運営する「CrowdChem Data Platform」のアルゴリズム強化やデータ拡充を進めるとともに、技術開発・プロダクト開発を加速させる計画である。
株式会社CrowdChemは、2022年の設立以来、化学関連産業が抱える課題の解決を目指し、2023年6月には「CrowdChem Data Platform」をリリースした。このプラットフォームは、独自に収集したデータをもとに化学分野に関する知見や知識を提供するものであり、材料特性値の予測やレコメンド機能を搭載している。これにより、ユーザは業務を円滑に進めるとともに、新たな発見を得ることが可能である。
CrowdChem Data Platformには、さまざまな分野の特許や論文を統合して学習できる独自の機械学習モデルが組み込まれており、原料の配合情報やプロセス条件、装置情報を入力データに組み込むことができる。特にリチウムイオン電池の分野では、この機械学習モデルを用いて電極の構造から電解質の組成、サイクル試験における結果に関する一連の流れをすべて繋ぐことが可能である。
さらに、CrowdChemは、塗料や化粧品といった異なる分野のデータを同時に学習できる技術を有しており、他分野で使用されている原料やプロセスの転用可能性についても予測することができる。この独自の技術は、化学メーカーの研究開発や営業活動の促進、自動車・化粧品・半導体業界の材料活用促進に寄与することが期待されている。
同社は化学関連産業における課題解決に向けて邁進している。今後の展開に注目が集まる。