低コストの二酸化炭素分離膜を開発する株式会社OOYOO、1億円の資金調達を実施

低コストの二酸化炭素分離膜を開発する株式会社OOYOO、1億円の資金調達を実施

uniqorns編集チーム 2024.10.18

低コストの二酸化炭素分離膜を開発する株式会社OOYOOは、東京大学協創プラットフォーム開発株式会社(以下、東大IPC)は、オープンイノベーション推進1号投資事業有限責任組合(AOI1号ファンド)を通じて1億円の資金調達を実施した。
また、京都大学イノベーションキャピタル株式会社、株式会社環境エネルギー投資、京都キャピタルパートナーズ株式会社も参加している。

OOYOOは、京都大学iCeMS教授であるシバニア・イーサン氏が率いる研究チームによって開発された高性能膜技術を利用している。この膜技術は、CO2をはじめとするさまざまなガスの効率的な分離・回収を実現しており、産業分野でのCO2排出削減に貢献することを目指している。

特に、OOYOOの膜技術は、他のガス分離技術とは異なる独自の構造と素材を採用しており、従来の膜技術に比べて分離効率が大幅に向上している。CO2の分離においては、既にベンチトップの試作機を完成させ、長期間にわたり安定して燃焼ガス由来のCO2濃度を95%程度まで濃縮し分離することに成功している。

この膜技術は、化石燃料を使用する発電所や製造業など、さまざまな産業分野でのガス分離の課題を解決するために有用である。OOYOOの膜技術を導入することで、エネルギー消費を抑えつつ低コスト・省スペースでのCO2の効率的な分離・回収が可能となる。

同社は、住友化学と共同で国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が実施するグリーンイノベーション基金事業に参画している。また、TOPPANとの間でCO₂分離膜の量産に関する基本合意書を締結し、GSユアサやGSユアサメンブレンとの基本合意に基づき、CO₂分離膜を搭載したモジュールの開発および提供を進めている。これらの取り組みを通じて、2026年度までに市場投入を目指している。

今回の資金調達により実証試験機の開発や将来的なスケールアップに向けた検討を開始することを明らかにしている。

株式会社OOYOOウェブサイト