五常・アンド・カンパニー株式会社、シリーズFラウンド・デットにて334億円の資金調達を実施
uniqorns編集チーム 2024.10.25
五常・アンド・カンパニー株式会社は、シリーズFラウンドにて175億円の資金調達を実施した。この資金調達により、同社は創業からの累計資本調達額を465億円に達成した。また、併せて国内金融機関6社より159億円のデット調達も実施した。
同社は、アジア及びアフリカの12カ国でマイクロファイナンス事業を展開しており、金融包摂を世界中に届けることをミッションとしている。同社の掲げるビジョンは「誰もが自分の未来を決めることができる世界」であり、長期目標として低価格で良質な金融サービスを50カ国に提供し、途上国の金融環境の改善に寄与することを目指している。
この資金調達には、特定投資家向け銘柄制度(J-Ships)を活用し、野村證券株式会社を通じて国内の個人投資家を中心とした特定投資家から調達した約50億円も含まれている。
本ラウンドでは、日本を代表する機関投資家であるアセットマネジメントOne株式会社、レオス・キャピタルワークス株式会社、及び三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社がそれぞれ運用を開始したクロスオーバー・ファンドによる、初の未上場株投資先として同社が選定された。
加えて、海外からは台湾の海外援助専門機関であるInternational Cooperation and Development Fund、サステナビリティと気候変動ソリューションに特化した台湾のベンチャーキャピタル Hungchi Capital Co. Ltd.、国内外のミドル・レイトステージ投資に特化した独立系運用会社HiJoJo Partners株式会社、三井住友信託銀行株式会社のインパクト投資部門、大和ハウスベンチャーズ株式会社、合同会社富士通ベンチャーズファンド、いわぎん未来投資株式会社、株式会社山陰合同銀行、NOW株式会社、株式会社エービーエフキャピタルなどの新規機関投資家及び複数の個人投資家の参画に加えて、既存株主である、ACA Investments Pte. Ltd.、株式会社丸井グループ、CAPITAL X株式会社、HFAキャピタル株式会社、株式会社QRインベストメント、15th Rock Fund 2号投資事業有限責任組合、株式会社サムライインキュベート、GMO VenturePartners株式会社、DIMENSION株式会社による追加投資も実現した。
また、エクイティ調達と並行して、デット調達手段の多様化と調達コストの最適化に取り組んできた。あらたな取り組みとして、3月に三井住友銀行をアレンジャー兼エージェント、株式会社北國銀行及び株式会社東日本銀行を参加金融機関とする40億円のコミット型シンジケートローン契約を締結した。また、4月にはみずほキャピタル株式会社が運営するみずほベンチャーデットファンド投資事業有限責任組合より無担保普通社債の引受を通じて10億円(借入期間3年)、8月に株式会社福岡銀行よりタームローン2億円(借入期間3年)の調達も実施している。
シリーズFラウンドで調達した資金は、インドやタジキスタンを中心とした既存グループ会社の成長に向けた財務基盤強化とデジタル化の推進、アジア・アフリカ地域における金融包摂に取り組む事業者への出資に充当される。特に、アフリカ最大級のマイクロファイナンスグループであるBaobab Groupへの出資を通じてアフリカ市場への進出が期待される。
今後も、同社は資金調達の多様化や調達コストの最適化を通じて、持続的な成長と金融包摂の拡大に取り組む姿勢を維持する。これにより、途上国におけるマイクロファイナンス事業の展開をさらに加速させることが見込まれる。