二酸化炭素の地中貯留事業(CCS事業)の実用化を目指す株式会社ウェーブレット、シリーズAラウンドにて約2.5億円の資金調達を実施
uniqorns編集チーム 2024.11.28
二酸化炭素の地中貯留事業(CCS事業)の実用化を目指す株式会社ウェーブレットは、シリーズAラウンドにて東京大学協創プラットフォーム開発株式会社(本社:東京都文京区本郷、代表取締役社長:植田浩輔)、およびONE Innovators株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役 辻秀樹、島田周、清水孝行)の2社を引受先とした第三者割当増資を実施し、約2.5億円の資金調達を完了した。
ウェーブレットが実用化を目指すPASSは、震源装置サイズを人間が持ち運びできるサイズまで小型化することで運用コストを削減し、従来の大型起震車が入れなかった山中などにも持ち運ぶことができるようになる。また、運用コストを削減することで、一つの場所で連続的な弾性波探査による常時モニタリングが可能となる。二酸化炭素の圧入を行う地域の住民が常時状況を把握することも可能になり、地域の理解醸成も期待され、CCS事業の実現可能性に貢献できるものと考えられる。
また、ウェーブレットは小型震源装置であるPASSのみならず、そのPASSから発信される微小な振動(エネルギー)を常時収集し、膨大なデータの解析も強化する。今後はこの2つの強みをCCS以外の分野にも適用し、地熱開発や土木分野(地下水位の特定、地下岩盤の位置や形状測定、施工済みの盛り土の事後の締固め検査など)、インフラ診断(コンクリートの劣化診断)、地中埋設物の探査(都市インフラの探査や、埋蔵文化財の探査)などへの展開を進める。
この度の調達によって、同社は人員体制の強化に加え、CCS事業の陸上実証試験の実施や、海域でのCCS事業実施に向けた機器の開発、同社の強みであるPASSと振動解析技術をCCS以外の分野へも展開し、従来の技術では解決が難しかった様々な社会問題に対してソリューションを提供する。