株式会社3DC、プレシリーズAセカンドクローズにて5.8億円を調達
uniqorns編集チーム 2024.06.06
電池の進化を加速させる革新的カーボン新素材「グラフェンメソスポンジ®(GMS)」の開発・製造販売を行う株式会社3DC(本社:宮城県仙台市、代表取締役CEO:黒田 拓馬 代表取締役CSO:西原 洋知)は、2024年3月~5月にかけて、三菱UFJキャピタル株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:小島 拓朗)、ANRI株式会社(本社:東京都港区、代表パートナー:佐俣 アンリ)、高砂工業株式会社(本社:岐阜県土岐市、代表取締役社長:鈴木 達也)などを引受先とする第三者割当増資により、プレシリーズAセカンドクローズにおいて5.8億円の資金調達を実施した。これにより、プレシリーズA全体での調達額は8.3億円となった。また、3DCの累計調達額は、各種助成金などを合わせて14.8億円に到達した。
持続可能な社会の実現に向けて、カーボンニュートラルの領域に多くの注目が集まっている。カーボンニュートラルを実現するための手段のひとつに「社会の電動化」があり、電動化の鍵として期待されているのが「リチウムイオン電池」である。リチウムイオン電池は、他の二次電池よりも小型かつ長寿命にできることから、EVの普及や再生可能エネルギーの導入拡大において重要な役割を果たすと考えられている。
しかし、カーボンニュートラルを真に実現するには、リチウムイオン電池の性能をさらに向上させる必要があるとされている。リチウムイオン電池が発明されて以来、その性能(1回の充電でためられる電気の量など)を向上させるためにさまざまな研究が行われてきた。しかし、「ある性能を向上させようとすると別の性能が低下する」というジレンマが存在するため、研究は一筋縄ではいかなかった。このトレードオフ解消に貢献できると考えられているのが、3DCが開発するGMSである。
リチウムイオン電池では、電極の導電性を上げるため、活物質の近くに「導電助剤」と呼ばれる材料を配置する必要がある。3DCは創業以来、GMSを使用したリチウムイオン電池向け導電助剤「導電助剤用GMS」の研究開発を進めてきた。その結果、導電助剤用GMSの開発に見込みがついたため、その本格的な製造体制を構築すべく、今回新たに資金調達を実施した。
導電助剤用GMSを量産してリチウムイオン電池の電極に組み込めば、従来のトレードオフ問題を解消し、その性能を大幅に向上させられることがデータで示されている。今後3DCは導電助剤用GMSによってリチウムイオン電池の能力を根本から底上げし、カーボンニュートラルの実現に大きく貢献する電池を生み出す。
今回調達した資金により、GMSを活用したリチウムイオン電池向け導電助剤「導電助剤用GMS」の製造体制の構築を進め、既存リチウムイオン電池の性能向上を目指す。
また、カーボンニュートラルの実現に向けてチャレンジする仲間を募集している。