EnerVenue、調達目標の5.15億ドルのうち3.8億ドルの調達を完了
uniqorns編集チーム 2024.06.07
再生可能エネルギーの長時間蓄電におけるリチウムイオン電池の代替手段を開発したスタートアップであるEnerVenueは、TechCrunchが閲覧したSECの申請書によれば、新たに約5億1500万ドルの資金調達を行っている。現時点では、EnerVenueは目標の5億1,500万ドルのうち、3億8,000万ドルを調達していると申請書に記載されている。
同社は、ケンタッキー州にギガワット規模の工場を建設する過程で、ニッケル水素電池を生産する予定であり、この取り組みには、2億6,400万ドルの費用がかかると推定されている。同社は、2021年末にシリーズAラウンドで1億2,500万ドルを調達した。工場への投資規模を考えると、新たな資金はこのプロジェクトに充てられるとされる。
このスタートアップのニッケル水素技術は、元々国際宇宙ステーションやハッブル宇宙望遠鏡などの衛星で電力を蓄えるために使用されていた電池を基にしている。ニッケル水素は、凍てつく寒さや灼熱の熱に耐えることができ、時間の経過とともにほとんど容量を失わないため、想定される寿命の間も長く持続することができる。ニッケル水素はこれまで高価であったが、宇宙機に使用される場合、コストはあまり問題ではない。しかし、地球上ではコストが最優先される傾向にある。
しかし、Stanford大学の教授でありEnerVenueの会長でもあるYi Cui氏は、高価な白金を取り除くなどの調整により、生産規模での電池の単価を1キロワット時あたり80ドル以下に抑えることができると予想している。EnerVenueは、コンパクトな構成と低いメンテナンス要件により、余剰な再生可能エネルギーを蓄える方法を探しているユーティリティ企業の関心を引くことを期待している。昨年、同社は顧客から7ギガワット時分のコミットメントを得ていると発表した。
EnerVenueの次の課題は、工場の完成、生産の拡大、そして革新的な電池を世界に送り出すことである。