グランドグリーン株式会社、シリーズCにて総額6.5億円の資金調達を実施
uniqorns編集チーム 2024.06.21
アグリバイオベンチャーであるグランドグリーン株式会社(本社:愛知県名古屋市 代表取締役 丹羽優喜)は、今回京都大学イノベーションキャピタル株式会社(本社:京都府京都市 代表取締役 楠美 公)、三菱UFJキャピタル株式会社(本社:東京都中央区 代表取締役社長 小島 拓朗)、栖峰投資ワークス株式会社(本社:京都府京都市 代表取締役 関 兵馬)、SBプレイヤーズ株式会社(本社:東京都中央区 代表取締役社長兼CEO 藤井 宏明)、みずほキャピタル株式会社(本社:東京都千代田区 代表取締役社長 半田 邦雄)、ヒューリックスタートアップ株式会社(本社:東京都中央区 代表取締役 上杉 孝)、愛知キャピタル株式会社(本社:愛知県名古屋市 代表取締役 磯部 勝雅)、名古屋中小企業投資育成株式会社(本社:愛知県名古屋市 代表取締役社長 山本 亜土)を引受先とした第三者割当増資及び、株式会社りそな銀行からのベンチャーデットにより、合わせて約6.5億円の資金調達を実施した。
今回の調達により、グランドグリーンの累計資金調達額は約16億円となった。
グランドグリーンは次世代の農・食を創造する、研究開発型のアグリバイオスタートアップである。2017年4月に名古屋大学発ベンチャーとして創業した。一般的に作物の品種開発には、短くても5年~10年という膨大な時間とコストがかかると言われている。医薬などを含む様々な分野で活用が進んでいるゲノム編集技術は、品種開発にかかる期間を大幅に短縮することが期待されている。一方で、植物分野においては、ゲノム編集技術を直接活用できる作物や品種が限られることなど、グローバル共通の課題でもある。
今回の資金調達に先立ち、グランドグリーンは米Corteva Agriscience社子会社であるPioneer Hi-Bred International社と米Broad Instituteから、ゲノム編集ツールであるCRISPR-Cas9システムの作物分野での包括的な商用ライセンスを取得した。この契約により、全世界におけるCRISPR-Cas9特許ポートフォリオへのアクセスが付与され、研究開発のみならず、CRISPR-Cas9を用いて開発した新たな作物の商用化まで、ワンストップでの提供が可能になった。2024年には、グランドグリーンとしては初となるゲノム編集により作出されたトマトの市場への導入を計画している。
グランドグリーンでは、独自のAI予測プログラムの開発も進めている。AI予測プログラムを用いた遺伝子の発現強度を予測するモデルを構築し、シミュレーションを高速化かつ高精度化することで、ゲノム編集による遺伝子発現の変動予測を可能としている。これにより、ゲノム編集技術を用いて、自然界でも起こり得るDNA配列の変化によって、狙った遺伝子の働きを調節することが可能になった。このような多彩な技術を使い分けることで、作物種苗の分野におけるゲノム編集の活用範囲を広げ、独自の価値提案を行っていく。
今回の資金調達により、組織体制の強化に加え、研究開発機能を増強することで、より多くのパートナーとより多くの新品種開発を並行して実施することが可能になる。ゲノム編集技術を中心とした最先端技術を活用することで、種苗からの新たな価値創造を加速していく。