シリコンチップ開発のVaire Computing、シードラウンドにて400万ドルの資金調達を実施
uniqorns編集チーム 2024.07.01
ロンドンとシアトルを拠点とするVaire Computingは、エネルギー消費量を極限まで減らし、発熱をほとんど生み出さないシリコンチップの開発に取り組むため、400万ドルのシードラウンドを調達した。このラウンドは、ディープテックファンドの7percent VenturesとHeyzapの共同創設者であるJude Gomilaがリードした。Vaire Computingは以前に50万ドルを調達しており、総調達額は450万ドルになる。
逆算可能なコンピューティングでは、計算を単方向で行うのではなく(入力から出力へ)、両方向で行う(「時間逆転」コンピューティングとも呼ばれる)。これにより、エネルギーがチップ内に保持され、熱として放出されることがない。この方法では熱量がほとんど発生せず、エネルギー消費量が劇的に減少する。
Vaire Computingは、逆算可能なコンピューティングの概念は新しいものではなく、まだ多くの課題が存在するものの、この新しいアプローチへの移行は、フィラメント電球からLEDに切り替えたのと似ているとしている。Vaire Computingの創業者であるRodolfo Rosini氏は、類似点は、白熱線フィラメントを使用した古い電球とLEDの間にあるとしている。LEDは冷たく効率的であり、いくつかのクラスターがある。これは逆算可能なコンピューティングとほぼ同じであり、超高速な単一のコアではなく、個々のコアが非常に効率的である。
逆算可能なコンピューティングを実現するチップの大きな利点は、一般的なアプリケーションで使用できることである。通常のCPUと同様に、CPUやGPUなどのチップを開発することも可能である。
今回の資金調達により、Vaire ComputingはIntel Igniteの第2回英国コホートに選ばれ、Intelの世界的なスタートアップアクセラレータプログラムに参加する10社の一つとなった。また、Vaire Computingは、逆算可能なコンピューティングの研究で知られるMike Frank氏をシニアサイエンティストとして迎えた。