【中国】22年出荷量の成長率は中国首位、蓄電システム「海辰儲能」が870億円の資金調達を実施

【中国】22年出荷量の成長率は中国首位、蓄電システム「海辰儲能」が870億円の資金調達を実施

uniqorns編集チーム 2023.08.22

中国のスタートアップ企業である「海辰儲能」は、リチウムイオン電池の開発・製造・販売を行い、2022年には5GWh以上の出荷量を達成し、急成長を遂げている。同社は、国寿股権投資と金融街資本によるシリーズCで45億元(約870億円)以上の調達に成功したことを発表した。同時に、上場要件を満たすためのコンプライアンス指導(プレリスティング・チュートリング)の申請が証券監督管理委員会に受理されたため、国内投資家向けA株市場でのIPOに向けても動き出した。

海辰儲能は2019年に福建省厦門(アモイ)市で設立され、リチウムイオン電池のコア材料、リン酸鉄リチウムイオン電池とそのシステムの開発、生産、販売を手がけている。同社は、25Ah、50Ah、280Ah、300Ahなど幅広い容量の蓄電池を開発し、電池モジュールや蓄電池キャビネット、コンテナ型蓄電装置も提供している。リチウムイオン電池の生産ラインでは製品データのトレースが可能であり、品質や生産、設備、工程に関するリポートをオンラインで管理して、高度な自動化・インテリジェント化を実現している。

同社の蓄電池の出荷量は2022年に5GWhに達し、業界でも目覚ましい成長を見せている。現在は年産15GWhのリチウムイオン電池工場第1期部分が量産を開始しており、年内に厦門市にある生産拠点の1期・2期部分が全て稼働すれば同社の蓄電池の年間出荷量は25GWhを超え、出荷数の伸びは500%以上になる見込みだ。

海辰儲能は、新型蓄電システムの導入規模が26年に累計48.5GWhに達すると予想している。また、中国工程院の陳立泉院士は、蓄電業界は新たな政策に後押しされて急成長期を迎えると述べ、25年には風力発電と太陽光発電が社会全体の年間電力消費量の約18%を占めるようになり、蓄電関連市場は100GWhを超えると予想している。

海辰儲能は、発電サイド・送電網サイド・商工業向け蓄電システムなどを中心にグローバル化戦略を進めていく考えだ。また、海辰儲能は、コア材料やバッテリー設計、システムインテグレーションなど、多方面から綿密な研究を行っている。同社は研究開発やイノベーションにも力を入れており、毎年6%以上の研究開発費を投入している。