【初の事例】青森出身のヴィーガンレザー製造企業・appcycle、地元ファンド【プロクレアHD地域共創ファンド】から資金を獲得
uniqorns編集チーム 2023.06.30
青森県青森市に本社を構えるappcycle(アップサイクル)は、30日、最近のラウンドで資金を調達したと発表した。ラウンドステージは明記せず。このラウンドでは、株式会社プロクレアホールディングスとスパークル株式会社が運用するプロクレアHD地域共創ファンドがリードし、同ファンドからの初の案件となった。累積調達額については公表されていない。
appcycleは、青森県出身の藤巻圭氏(現・代表取締役社長)が地元青森から新たな事業を全国・全世界に展開し、地元貢献する目的で2022年に設立したスタートアップである。そのビジョンは「アップサイクルでサステイナブルな未来を創造する」ことであり、青森の名産であるリンゴを活用したヴィーガンレザー「RINGO-TEX」(リンゴテックス)の開発を行っている。
ヴィーガンレザーとは、動物の皮を使わず、リサイクル繊維や植物由来成分を用いて製造した革素材のことを指す。近年、環境保護や動物愛護の観点から注目されており、SDGsや動物愛護に対する関心が高まっている特に欧米で、動物由来・石油由来の皮革製品に代わる素材としてヴィーガンレザーが注目されている。
appcycleのRINGO-TEXは、りんごジュース等に加工した後に残った皮などのリンゴの副産物を活用して製造している。既に全日空のグリーンジェットのヘッドレストカバーや、青森のアイドルが立ち上げたプライベートブランドのバックと帽子など、多数の製品で採用されており、そのサステイナブルなビジネスモデルと製品品質は高く評価されている。
プロクレアHD地域共創ファンドは、地域活性化の視点から地域の中小企業やベンチャーに対する投資を行い、地元経済の成長を支えることを目的としている。appcycleの地元での事業展開とその独自の技術開発力に注目し、今回の投資を決定したという。
今後appcycleは、この資金調達を活用し、製品の生産量を増やし、青森だけでなく全国への販路拡大を行う予定である。また、新たに事業開発チームを設立し、リンゴ以外の地元資源を活用した新たなアップサイクル製品の開発にも注力する予定だ。
これからもappcycleの更なる活動に注目していきたい。