エジプトのフィンテック企業Flash、元Tiger GlobalエグゼクティブのVC「Addition」が主導する600万ドルのシードラウンドを実施
uniqorns編集チーム 2023.07.17
エジプトを拠点とするフィンテック企業Flashは18日、直近のラウンドで約600万ドルを調達したと明らかにした。このラウンドは元Tiger GlobalエグゼクティブのLee Fixelが主導するベンチャーキャピタル「Addition」がリードし、Flourish Venturesなど他のストラテジックエンジェル投資家が参加した。これはFlashが初めての調達ラウンドで、累積調達額は約600万ドルに達した。
Flashは、元Uberの北アフリカマーケットプレイス責任者であるErik Gordon氏(現・共同創業者兼CEO)と元Uberのエジプトマーケティング責任者であるSherine Kabesh氏(現・共同創業者)により2021年に創業。QRコードを利用したスキャン&ペイサービスを通じて、消費者とビジネスに向けたキャッシュレス決済ソリューションを提供している。
Flashのサービスは、エジプト中央銀行から技術的な決済アグリゲータとしての承認を受け、顧客が自分の電話を使用して任意の既存の銀行カードやデジタルウォレットをアプリに追加し、ビジネスが提供するQRコードをスキャンして購入することを可能にしている。
特に、Flashはエジプトにおけるeコマースプラットフォームや、支払い方法に現金代引きを含む薬局、レストラン、ファストフードチェーン、食料品店などのビジネスを主な顧客としている。エジプトにおけるオンラインでの商品購入の約80%が現金代引きであるというデータに対し、Flashは配達時にPOSオプションを提供しない多くのビジネスに対する解決策として、これらのビジネスが顧客にQRコードを提示することを可能にする「Flash on Delivery」を提供している。
Flashは今回調達した資金を基に、製品開発を加速させ、エジプトにおける顧客とビジネスの獲得を進める。また、独自のQRコード技術の安全性を確保するため、エジプト中央銀行とBanque Misrが設定した規制に準拠した形でプラットフォーム上のビジネスをオンボーディングし、Flashによって生成されたQRコードのみがFlashアプリと互換性を持つようにしている。
Flashが提供するサービスは、エジプト中央銀行が推進しているデジタル決済の普及という戦略と合致しており、今後の成長が期待されている。