エネルギー省出資のJetCoolが1,700万ドルを調達、チップ冷却技術を変革

Image Credits:JetCool Technologies

エネルギー省出資のJetCoolが1,700万ドルを調達、チップ冷却技術を変革

uniqorns編集チーム 2023.10.11

MIT発のスタートアップであるJetCool Technologiesが、エンタープライズデータセンター向けの直接チップ冷却技術に取り組む米国エネルギー省(DOE)の支援を受け、シリーズAラウンドで1,700万ドルの資金調達を実施した。Bosch Venturesをリードとする投資家グループが参加し、これにより同社の総資金調達額は2,700万ドル近くに達した。エンタープライズ全体でAIワークロードが急増する中、データセンターインフラのアップグレードと次世代の冷却技術への需要が高まっている。

JetCoolは特許取得済みのマイクロジェット衝突技術、通称マイクロ対流式液体冷却を使用し、安全な水ベースの冷却剤を用いて、チップまたはダイレベルで高パワーエレクトロニクス冷却の性能を向上させる。この先進技術は、最新のチップセットに対してピンポイントの精度でホットスポットをターゲットにし、熱の抽出を最大化し、マイクロチャネル冷却板に比べて約3〜5倍の熱性能を実現する。

JetCoolは、冷却技術をCold PlatesとSmartPlate Systemsの2つの形態で提供している。前者は現在の液体冷却インフラに互換性があり、マイクロチャネル冷却板と比較して3〜5倍低い熱抵抗を実現し、最新のIntel、AMD、Nvidiaのチップセット、1,500W以上のチップセットも冷却する。

一方、後者はDellを通じて提供されるプラグアンドプレイの自己完結型バージョンだ。このソリューションはエア冷却サーバーと同じフットプリントを持ちながら、1Uのラックユニットで850W、2Uのラックユニットで1,200Wまで冷却できる。

JetCoolの冷却技術は、ジェネレーティブAI、ヘルスケア、金融など、計算集約型ワークロードに対する高度な液体冷却ソリューションを提供するため、OEMやハイパースケーラーを含む多くの顧客と協力してきた。エア冷却に比べて処理速度を30%向上させ、エネルギー消費量を50%、水使用量を90%削減している。

この資金調達により、JetCoolはさらなる成長に向けて取り組み、データセンターやHPC、半導体の効率性、パフォーマンス、信頼性、持続可能性の向上に貢献する冷却ソリューションを拡大していく予定である。