エビ養殖のAIoT技術開発の台湾ID Water、4.5億円をシリーズAで調達——生け簀の排水を利用した脱炭素事業に展開

Image Credits: ID Water

エビ養殖のAIoT技術開発の台湾ID Water、4.5億円をシリーズAで調達——生け簀の排水を利用した脱炭素事業に展開

uniqorns編集チーム 2023.07.18

台南、彰化、高雄を拠点に活動するID Water(艾滴科技)は18日、最近のラウンドで約4.5億円を調達したと明らかにした。このラウンドはJM Enigma Capital(天盛資本)、Foodland Ventures(扶田資本)、Wulu Green Energy(五路綠能)などが参加した。これは2022年第3四半期に実施したシリーズ A ラウンドの結果である。

ID Waterは、AIoT技術と水質モニタリングを組み合わせ、エビ養殖と電力のコージェネレーション市場に注力している。同社のCEOであるYu氏によれば、今年5月にエビ養殖の生け簀の排水を利用してマングローブを植林し、その炭素固定能力を利用して企業の脱炭素サービスを支援する企業への方向転換を発表した。マングローブの炭素固定能力は、同じ面積の熱帯雨林の少なくとも6倍以上である。

エビ養殖場の建設には通常、マングローブの伐採が必要となりますが、それはマングローブが持つ自然の炭素固定能力を放棄することに等しいとYu氏は述べている。そのため、彼らは屋内エビ養殖場向けのAIoT技術を開発し、経営者に対して精密なモニタリングと養殖技術を提供している。

このラウンドの資金調達により、ID Waterはマングローブ植林とエビ養殖の両立を可能にする技術開発を進めることが可能。また、エビ養殖場の精密養殖事業に取り組みつつ、グリーン電力の運営も支援していく方針だ。

さらに、マングローブはアンモニア態窒素(液体肥料の一種)が生育に必要だが、エビ養殖の生け簀の廃水にはアンモニア態窒素が多く含まれている。これを利用し、環境にやさしい方法でエビ養殖を行うことができるという。

現在ID Waterのチーム規模は60人を超え、台湾での農業とグリーン電力の生産能力を継続的に増やすだけでなく、海外にもサステナブルな市場を拡大していく計画である。

これにより、ID Waterの収益は交渉次第で2~3倍に成長させることが可能とされ、ユニコーンという目標に向けて前進し続けることが期待されている。