デッキメンテナンスロボットのRoboDeck、プレシードラウンドで200万ドル調達――既存需要に対応し、製品のスケールアップを目指す

Image Credits:RoboDeck

デッキメンテナンスロボットのRoboDeck、プレシードラウンドで200万ドル調達――既存需要に対応し、製品のスケールアップを目指す

uniqorns編集チーム 2023.07.03

デッキメンテナンスロボットの開発を行っているRoboDeckは、200万ドルのプレシードラウンドで資金調達を実施したことを発表した。今回のラウンドではSOSVがリードし、Scalar Ventures、Etz Ve-Etza、および複数の個人投資家が参加した。これにより、同社の資金調達は新たなステージに進んだ。

RoboDeckは、イスラエルを拠点に事業を展開しているスタートアップである。その主力製品は、デッキのメンテナンスを自動化するためのロボットシステムだ。このシステムは、様々な環境下でも木材を保護するためのシーラントをデッキ表面に塗布する。これにより、デッキ所有者が負担と感じることが多いメンテナンス作業を軽減できる。

同社は、パンデミックによる自動化への関心の高まりと、ポストパンデミックの労働力不足が資金調達の主要な推進力となったとしている。また、商業的な応用を視野に入れており、オフィスビルやボードウォーク、レストランなど、メンテナンスが困難となる大規模な屋外木材面に対する適用が考えられている。

このシステムは、おおよそ20分で最大1,000平方フィートを処理することができ、人間が同様の作業を行うよりもかなり時間を短縮できる。シーラントは、木材保護業界で140年以上の歴史を持つニューイングランドの企業、Cabotと共同開発した環境に優しい材料である。

すでにRoboDeckは、カリフォルニア最大のデッキメンテナンス会社であるCal Preservingや、サンノゼのSVB Bankオフィス、テルアビブ市、Azrieli Group、Electra GroupのAriel Properties(イスラエル最大の物件管理会社)、Bezeq、Herbert Samuel Hotels、Hadassah Medical Centerなど、幅広い顧客ポートフォリオを持っている。今回の資金調達の一部は、現在イスラエルとLAに分散している僅か10人のチームの拡大に充てられる予定だ。特に、既存の需要に対応しシステムをより広範囲に生産できるようにするため、運用チームとR&Dチームの人員を増やすことに焦点を当てている。

「Roomba for decks」(デッキ用のルンバ)と形容されることに対する同社の困惑が理解できるだろう。しかし、ロボットシステムが果たす役割と機能を考えると、この比喩は極めてわかりやすい。メンテナンス作業は所有者にとって手間がかかるだけでなく、その作業品質がデッキの耐久性や見た目に直結している。RoboDeckが開発したこのシステムは、そうした問題を効率的に解決するための一助となる。

一方で、自動化への関心が高まる中で、RoboDeckが提供するソリューションは新たな需要を創出する可能性を秘めている。そのため、今後の同社の成長と製品の進化に注目が集まることだろう。今回の資金調達はそのステップの一つであり、同社のビジョンを具現化するための重要な資源となる。