ペットのテレヘルス会社Airvetが1,820万ドルを調達し、エンタープライズ展開に乗り出す

Image Credits: Airvet

ペットのテレヘルス会社Airvetが1,820万ドルを調達し、エンタープライズ展開に乗り出す

uniqorns編集チーム 2023.07.27

新型コロナウイルスのパンデミックがもたらしたペットの飼い主急増に伴い、獣医師の需要が増加し続けている。しかし、この需要に対応するためには、今後10年間で4万1千人以上の獣医師が新たに業界に進出する必要があり、それを実現するための人材が足りていないと、2022年のMars Veterinary Healthの報告で指摘されている。この現状が続けば、2030年までに約15,000人の獣医師が不足すると見込まれている。

こうした背景の下、ペットのテレヘルス会社であるAirvetは、新たに調達したシリーズBの資金1820万ドルを背景に、獣医師の支援を目指している。同社は最後に2020年、シリーズAラウンドで1400万ドルを調達した際に紹介された。

CEOのBrandon Werber氏は、著名な獣医師である父親のJeff Werber博士の元で、2018年に同社を設立。獣医師とペットオーナーをつなげるテレヘルス診療のためのプラットフォームを提供することを目指している。Werber氏は、獣医師の不足により、ペットの治療費が高騰し、手続きが難しくなると語っている。

実際に、2023年までには、2019年の$118Bから$277Bに増加すると予測されている米国のペットケア市場は、技術の導入により改善の可能性が見込まれている。これにより、数々のスタートアップやベンチャーキャピタリストが注目してきている。

しかしながら、すべての企業が成功を収めているわけではない。例えば、デジタルペットケアネットワークを構築し、創業以来8800万ドルのベンチャー資金を調達したFuzzyは、今年6月に事業を停止したと伝えられている。

ペットテック領域でのビジネスアプローチは様々だが、AirvetではB2Bをターゲットにするチャンスを見つけた。その結果、同社はAdobe、Ceridian、Rexford Industrialなど、社員のペットに対する福利厚生を提供したいと考える企業クライアントを取り込むことに成功した。

今回のシリーズBラウンドはMountain Group Partnersがリードし、Canvas Ventures, Headline, Burst Capital, そしてVCA Animal Hospitalsの創設者Bob Antinを含む戦略投資家グループが参加した。これにより、Airvetの総調達額は3300万ドルを超えた。

新たに調達した資金は、企業や雇用主のクライアントとのパートナーシップの拡大、製品開発、そして営業チームとマーケティングチームの強化に使用される予定である。