企業向け因果関係AI開発のCausely、880万ドルをシード調達——K8s向け製品をリリース
uniqorns編集チーム 2023.07.11
AIスタートアップCauselyは、創業者であり現CEOであるEllen Rubin氏のリーダーシップのもと、6月29日に企業データ向けのCausal AI(因果関係 AI)プラットフォームの早期アクセスを限定的に開始したと発表した。これは、因果推論を用い、解釈可能性と説明可能性をAIに付与する技術で、企業向けに関心を集めている。Causelyは、このCausal AIを活用し、企業が運用上の問題をトラブルシューティングし、アプリケーションのパフォーマンスを管理する手法に革新をもたらそうとしている。
また、同日Causelyは645 Venturesをリードに880万ドルのシード資金を調達したと発表した。既存の投資家であるAmity Venturesに加えて、新規にGlassWing VenturesとTau Venturesが参加した。この調達を通じて、CauselyはIT向けのCausal AIプラットフォームの構築と、より広範なITの問題やシナリオへの対応を拡大することが可能になる。また、2022年の創業以来、Causelyの累積調達額は1,100万ドルを超えた。
Causelyの初期サービスの早期アクセスプログラムは、Kubernetesでアプリケーションを開発・サポートしているDevOpsとSREのユーザーに限定して提供される。このプログラムでは、Causelyのプラットフォームを自社の環境で試すことができ、最小限の実行可能製品(minimum viable product)とローンチに向けたフィードバックとイテレーションを提供できる。
Causelyは、自社のプラットフォームがKubernetes環境だけでなく、自動検出と修復が必要な他の多くのIT問題やシナリオにも適用可能であるとRubin氏は強調している。事業継続の課題、セキュリティの課題、エッジコンピューティング、IoTなど、広範で分散した多くの領域にチャンスがあるとしている。
今回のシードラウンドは、AIを用いてITオペレーションを改善するスタートアップへの関心の高まりと、この種のプラットフォームの市場機会を浮き彫りにした。リード投資家である645 Venturesの共同設立者でありマネージングパートナーであるAaron Holiday氏によれば、CauselyはCausal AIを通じて新たなカテゴリを創出しようとしている。
最初の資金調達と経験豊富なチームによって、Causelyは製品市場適合性の確認や初期の顧客獲得など、スタートアップの初期段階で一般的なリスクに直面しつつも、市場での影響力を拡大する十分なポジションを得ているようだ。今後1年間のCauselyの進行状況は、Causal AIのアプローチが最新のクラウドアプリケーション管理の複雑な課題を解決し、企業顧客を獲得できるかどうかを示すだろう。