光インターコネクト技術開発のCelestial AI、シリーズBラウンドで1億米ドルを調達——「Photonic Fabric」の拡大を視野に

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光インターコネクト技術開発のCelestial AI、シリーズBラウンドで1億米ドルを調達——「Photonic Fabric」の拡大を視野に

uniqorns編集チーム 2023.07.14

光インターコネクト技術を開発するCelestial AIは、シリーズBラウンドで1億米ドルを調達したと発表した。ラウンドはIAG Capital Partners、Koch Disruptive Technologies(KDT)、TemasekのXora Innovation Fundがリードした。また、Samsung Catalyst、Smart Global Holdings(SGH)、Porsche Automobil Holding SE、The Engine Fund、ImecXpand、M Ventures、Tyche Partnersなどが参加している。

同社の技術プラットフォーム「Photonic Fabric」は、既存技術を凌ぐ光接続性能の大進歩を意味するとしている。ChatGPTやGPT-4などの高度なAIモデルは指数関数的に増大するメモリ容量と帯域幅を必要とするが、これはクラウドサービスプロバイダ(CSP)やハイパースケールデータセンタが直面する課題である。これらの制約は、AIビジネスモデルの成長とAIの進歩を阻害する可能性がある。

そこでCelestial AIは、ハイパースケーラー、AIコンピューティング、メモリープロバイダと協力し、「Photonic Fabric」を開発した。この光インターコネクトは、分解されたエクサスケールコンピューティングとメモリクラスタに対応するよう設計されている。同社の独自技術「Optical Compute Interconnect(OCI)」により、スケーラブルなデータセンタメモリの分割と高速コンピューティングが可能になると主張している。

Photonic Fabricの低レイテンシーデータ伝送は、従来の電気的相互接続よりも多くのサーバー接続と分離を可能にし、レイテンシーに敏感なアプリケーションは従来の電気的相互接続では不可能であったリモートメモリーの利用が可能になるとしている。

さらに、Celestial AIは、Photonic Fabricがシリコンエッジ接続の限界を超え、CPOが提供する25倍の1.8Tbps/mm²のパッケージ帯域幅を提供し、10倍低いレイテンシを実現すると主張している。

同社は、GPT-4、PaLM、ディープラーニング・レコメンデーション・モデル(DLRM)など、1,000億から1兆を超えるパラメータを持つLLMの企業向け計算を簡素化することを目指している。今回の調達により、エンジニアリング、セールス、テクニカルマーケティングチームの拡大、Photonic Fabricの製品化と商業化が加速される予定である。

今回の資金調達は、Celestial AIの進んだ光インターコネクト技術を製品化し、商業化するための重要なステップである。同社のPhotonic Fabricは、既存のシリコンエッジ接続技術を大きく上回る性能を提供する可能性があり、これによりAIモデルの計算能力が大幅に向上し、これまでにないレベルのAIアプリケーションが可能になることが期待される。

この動きは、AIモデルが増大するメモリ容量と帯域幅を要求し、それを支えるためのハードウェア技術が急速に進化している現代のテクノロジーランドスケープを反映している。Celestial AIの技術は、AIアプリケーションのパフォーマンス向上だけでなく、クラウドサービスプロバイダーやデータセンターの運用コストを削減する可能性も持っている。

今後のCelestial AIの動向とPhotonic Fabricの開発進捗に注目が集まることだろう。