全ゲノム検査を提供するジーネックス株式会社がTIS株式会社より資金調達
uniqorns編集チーム 2023.12.21
ジーネックスは、難病・希少疾患も含めて、専門家が「病気に関連する」と評価した特徴的なゲノム配列が存在するかどうかを検査する全ゲノム検査事業を展開するスタートアップである。全ゲノム情報を含むヘルスケア関連データが創薬開発やヘルスケア関連サービスに活用され、人々のQOLを向上するサステイナブルな健康社会の創造を目指している。
従来の遺伝子検査の多くがDNAのうち約0.2%を検査対象としているのに対して、ジーネックスの全ゲノム検査は全てのDNA(約30億の塩基)を検査するものである。希少な難病の原因遺伝子や遺伝子以外の原因の特定の可能性を持っており、いまだ有効な治療方法がない疾患に対する医療ニーズを満たす創薬および難病の診断を中心に活用が期待されている。
TISは、日々の健康増進から病気の予防や治療、介護に亘るさまざまなライフステージの生活者の健康を支えることを目的とし、健康・医療情報を活用するためのIT技術が集約されたオープンな「ヘルスケアプラットフォーム」を提供している。
このヘルスケアプラットフォームを中核とし「地域」「職域」「製薬」「保険」「ヘルスケア」の領域において、様々なプレイヤーと連携しながら生活者、サービス提供者、社会が抱える課題をPHR(※1)を活用することで解決するサービスの開発・展開を進めている。
今回TISは、PHRを活用して個人に最適な予防・治療を実現するネットワークを拡大させていくための施策の一環として、ジーネックスへの出資を決めた。
※1 Personal Health Recordの略。個人の健康診断結果や服薬歴等の健康情報を電子記録として本人や家族が正確に把握するための仕組み
全ゲノム検査の結果として得られる遺伝情報は、TISが進める個人に最適な予防・治療・介護の実現において、今後重要な役割を果たしてくると期待している。
TISのヘルスケアプラットフォームにおいて、遺伝情報をそれ以外のPHRと統合・活用することで、アカデミアや製薬会社との協業による臨床研究と医薬品開発の加速や治療の個別化、治療結果の改善や医療費削減への活用、難病・希少疾患の原因究明などに取組むことを目指す。