国際液化水素サプライチェーンの構築に向け、 邦船3社がJSE Ocean株式会社に資本参加

Image Credits: JSE Ocean株式会社

国際液化水素サプライチェーンの構築に向け、 邦船3社がJSE Ocean株式会社に資本参加

uniqorns編集チーム 2023.09.26

日本水素エネルギー株式会社(以下「日本水素エネルギー」)と、川崎汽船株式会社・商船三井株式会社・日本郵船株式会社(以下「邦船3社」)は、2023年9月12日、邦船3社が日本水素エネルギーの子会社であるJSE Ocean株式会社(以下「JSE Ocean」)へ第三者割当増資にて資本参加し協業することに合意した。

脱炭素社会の実現に向け、クリーンなエネルギーである水素への期待が世界で高まっている。2023年6月に日本政府が改定した水素基本戦略では、日本の水素導入目標量は、2030年に最大300万トン/年、2040年に1200万トン/年程度、2050年に2000万トン/年程度となる。水素供給コストは2030年に約30円/Nm3、2050年に20円/Nm3(船上引き渡しコスト)の目標が掲げられていますが、目標通りに水素を大量かつ安価に供給するためには、海上輸送を主とする国際水素サプライチェーンの構築が非常に重要となる。

日本水素エネルギーは、岩谷産業株式会社・ENEOS 株式会社との3 社で、2021年8月、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から公募された「グリーンイノベーション基金事業/大規模水素サプライチェーンの構築プロジェクト」に対して、「液化水素サプライチェーンの商用化実証」を提案し、採択された。

この実証事業では、年間数万トン規模の大規模な水素の液化・輸送技術を世界に先駆けて確立し、水素製造・液化・出荷・海上輸送・受入までの一貫した国際間の液化水素サプライチェーンを構築するための実証に取り組んでいる。

JSE Oceanは、日本水素エネルギーの子会社として、液化水素運搬船による液化水素の海上輸送事業検討を目的として2023年1月に設立された。今般の第三者割当増資の実施により、日本水素エネルギーと、エネルギーの海上輸送事業において豊富な知見・経験を有する邦船3社は、JSE Oceanを通じて商用規模の国際水素サプライチェーンにおける液化水素の海上輸送確立を目指す。具体的には、2024年までに世界初の大型液化水素運搬船における安全で効率的な運航、将来性のある海上輸送事業スキームの検討を共同で実施していく予定である。また液化水素運搬船は水素を推進燃料とする予定であり、運航時に排出されるCO2を大幅に削減する。