日本のVC「Beyond Next Ventures」、ディープテックファンドの第1クローズで6,770万ドルを調達

Image Credits: Beyond Next Ventures

日本のVC「Beyond Next Ventures」、ディープテックファンドの第1クローズで6,770万ドルを調達

uniqorns編集チーム 2023.10.11

日本のVCファンドであるBeyond Next Venturesは、広範なスローダウンが世界的なムーンショット投資に見られる中でも、アジアのディープテックスタートアップに注力し続けている。東京に拠点を置くBeyond Next Venturesは、BNV Fund 3として最大250億円(約1億6800万ドル)を目指し、ロボティクスやバイオテックなどのディープテックスタートアップへの投資に使うための資金調達を行った。

同社は2024年3月までにファンドを完了することを目指しており、Beyond Next VenturesのCEOである伊藤剛志氏によると、約25社の企業に対してシード、シリーズA、および後期ラウンドで投資する予定である。投資額は企業ごとに67万ドルから200万ドル、または複数のラウンドで最大1300万ドルだ。前回のファンドと比較して、最大限度額が3倍になっている。

日本のVCは、後期の資金調達が少ないことが、スタートアップがグローバルに展開することを制限し、全体的な評価を妨げていると考えている。
ワールドバンクの2021年の報告書によると、日本の後期投資のボリュームは、ヨーロッパ、北米、および他の国々と比較して遅れているとされている。伊藤氏によれば、日本の後期投資が不足している理由の一つは、機関投資家などの有限責任事業組合が最近までVCファンドへの積極的な投資に参加していなかったことである。
このため、日本のVCファンドの規模は比較的小さく、多くのVCがシードおよびアーリーステージのスタートアップに焦点を当てる必要があった。もう一つの要因は、東京証券取引所のグロースマーケットが数十億円の時価総額の企業を許可しているため、多くのスタートアップが早期のIPOを行い資金を調達することになったと伊藤氏は説明している。

しかし、中期から後期のスタートアップへの資金調達は増加しており、以前とは異なり、スタートアップは以前ほど早急に上場する必要はなくなっていると伊藤氏は述べている。

Beyond Nextは、最新のファンドを通じて、シリーズCやシリーズDなどの後期投資、および追加のフォローオン投資を増やすことで、スタートアップに継続的な財務支援を提供することを目指している。さらに、前回のファンドよりも1年長い11年の運営期間を設定し、有限責任事業組合の同意を得て最大3年の延長も追加する予定である。

Beyond Nextは、起業家戦略を必要とする大学や研究機関から生まれるディープテックスタートアップを求めており、革新的な技術と科学の商業化に向けたマッチングを行っている。同VCファームは、3,000人以上のビジネスおよびマネジメントの専門家と研究チームをマッチングする取り組みを行っている。
今回の最新ファンドを含め、Beyond Nextの管理資産は3億1,600万ドルを超えることになる。

BNV Fund 3の有限責任事業組合には、既存のバッカーである中小企業・地域イノベーション支援機構、三菱UFJ銀行、第一生命ホールディングス、東京センチュリーに加えて、新たにSMBC日興証券、三菱UFJ信託銀行、FFGベンチャービジネスパートナーズも資金を提供した。

2020年には、Beyond Nextはインドに地域オフィスを開設した。

Beyond Nextは2015年に設立され、2015年に初のファンド(3700万ドル)、2019年に2番目のファンド(1億1100万ドル)を設立した。同VCファームは、日本とインドで約80のヘルスケア、食品農業、ディープテック企業に投資してきた。Beyond Nextは、ファンド1とファンド2のポートフォリオの一部をIPO(SusmedとQD Laser)やM&A(Repertoire GenesisとGigIndia)によって手放している。

Beyond Nextはまた、遺伝子編集技術を用いて通常よりも早く魚を育てるフードテックスタートアップのRegional Fish Institute、環境に優しいプリント回路板メーカーであるElephantech、日本のヘルスケア管理プロバイダーであるiCareにも投資している。