ちとせグループ、株式会社資生堂から10億円調達、戦略的パートナーシップを締結――化粧品業界における藻類を活用した循環型の生産を加速

Image Credits: 株式会社ちとせグループ

ちとせグループ、株式会社資生堂から10億円調達、戦略的パートナーシップを締結――化粧品業界における藻類を活用した循環型の生産を加速

uniqorns編集チーム 2023.07.11

ちとせグループは、バイオエコノミーをリードし、国内トップシェアを保持している株式会社資生堂を引受先として第三者割当増資により10億円の資金調達を行った。また、戦略的パートナーシップを結んだことも発表した。この提携により、二社は化粧品業界における藻類をベースとした循環型の生産をさらに加速させる。

藻類は太陽エネルギーを利用し、二酸化炭素からタンパク質や脂質、炭水化物など多様な有機物を効率的に生成する。これは砂漠や荒地といった農耕に適さない土地でも可能で、陸上植物と比較してバイオマスの生産効率が優れている。これにより、有限な化石資源に依存しない新たな資源として注目されている。

ちとせグループはこれを背景に、「藻」に注目し、2021年春から藻類を活用した新たな産業の構築に取り組んでいる。その中心となるのが「MATSURIプロジェクト」だ。このプロジェクトでは太陽光をエネルギー源とする藻類の大規模生産と、燃料やプラスチック、食品、化粧品など生活を支える藻類製品の普及を推進している。

株式会社資生堂は、2022年4月から「美の力を通じて“人々が幸福を実感できる”サステナブルな社会の実現」を目指し、MATSURIプロジェクトに参画してきた。そして、今回の提携により、資生堂とちとせグループは藻類を活用した化粧品原料や容器の開発・量産化、そして将来的な食品事業の原料開発などを加速する。

このパートナーシップは、MATSURIプロジェクトを通じた循環型の生産を促進し、グローバル化粧品市場を更新するサステナブルな価値創造に向けたものである。

ちとせグループは世界のバイオエコノミーをリードする企業群である。その使命は千年先まで人類が豊かに暮らせる環境を残すことで、その達成のために多くの企業や団体と協力し、技術を社会に広げている。今回の調達により、その目指す方向に更なる一歩を進めることができるであろう。