株式会社オレンジ、漫画特化の深層学習モデル開発でGlobis Capital Partners等から約2.5億円を調達

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株式会社オレンジ、漫画特化の深層学習モデル開発でGlobis Capital Partners等から約2.5億円を調達

uniqorns編集チーム 2023.07.27

東京・目黒に本拠を置く株式会社オレンジは27日、直近のラウンドで約2.5億円を調達したと明らかにした。ラウンドステージは不明。このラウンドはGlobis Capital Partners、千葉道場ファンド、その他個人投資家が参加した。

株式会社オレンジは、宇垣承宏氏(現・代表取締役)らにより2021年に創業。同年には出版大手のKodanshaのアクセラレータ「Manga Innovation Lab」に採択され、Kodanshaと漫画のローカライズを自動化するサービス「Manga AI Localization」を共同開発し、2022年6月からサービス提供している。

漫画のグローバル展開では、翻訳家が原作を読み解き、その文化背景を理解した上で翻訳する必要がある。人手不足の観点からこれらの作業はAIによる自動化が望まれており、そこに「Manga AI Localization」が位置づけられている。

「Manga AI Localization」は、既存の漫画を深層学習モデルで解析し、それをクラウドにアップロードし自然言語処理により翻訳する。これにより、品質を維持したままで「大量のローカライズを早く、安価に」実現することが可能となる。また、漫画のネーム生成モデルや、3Dのセルルック表現モデルなども開発中である。

Orangeは今回調達した資金をもとに、より多言語に対応したAI翻訳モデルの開発や量産化を推進する。また、システムの拡張(対応言語数の増加や機能追加等)やモデルの改善、AIによるwatermark、漫画のネーム生成モデル、3Dのセルルック表現モデルなど、漫画に関わる様々な深層学習モデルを開発する。

宇垣氏は、「10年後には世界中の人々が自分達の母語で『日本の名作漫画 "すべて" を読める世界』を実現したい」と語っている。