株式会社グレースイメージング、汗乳酸センサ販売と運動支援SaMD開発を目指し、第三者割当増資により5.1億円の調達を達成——累計調達額は7.4億円に
uniqorns編集チーム 2023.07.05
慶應義塾大学医学部発のベンチャー企業である株式会社グレースイメージング(本社:東京都新宿区、以下 グレースイメージング)は、直近のラウンドで約5.1億円を調達したと明らかにした。このラウンドは株式会社慶應イノベーション・イニシアティブ(本社:東京都港区、以下KII)、QBキャピタル合同会社(本社:福岡県福岡市)、三菱UFJキャピタル株式会社(本社:東京都中央区)、D3 LLC(本社:東京都渋谷区)、株式会社メディパルホールディングス(本社:東京都中央区)のコーポレートベンチャーキャピタルファンドMEDIPAL Innovation投資事業有限責任組合(無限責任組合員:SBIインベストメント株式会社)を引受先とし、これにより累計調達額は約7.4億円に達した。
グレースイメージングは、汗中乳酸濃度を測定、可視化できるウェアラブルデバイス「汗乳酸センサ」の開発に取り組んでいる。心臓リハビリテーションの一部として、適切な運動強度の判定が重要であるとされているが、これまでは心肺運動負荷検査(CPX検査)という複雑な手法でしか測定できなかった。グレースイメージングはこれまでの資金調達を通じて、簡便かつ安価な汗乳酸センサを用いて運動負荷の指標(ATポイント)を測定可能であることを実証してきた。
このたびの調達により、グレースイメージングは汗乳酸センサの大量生産と販売体制の構築、さらにスポーツ・ヘルスケア分野での展開を推進することが可能となる。また、現在並行して進めている、汗乳酸センサを含む各種ウェアラブルデバイスや患者報告アウトカムシステム(ePRO)のデータを一元管理し、最適な運動習慣を提供可能なSaMDの開発も加速する予定である。
医療ヘルスケア分野では、担当医や患者自身が症状や体調を定期的に記録し、異常な兆候が無いかを確認することが一般的である。しかしながら、これらの情報はスマートウォッチなどのウェアラブルデバイスやePROによりデータ化、分析され、効率的な治療法や予防策が可能となる。
グレースイメージングの汗乳酸センサは、運動中の身体負荷をリアルタイムで把握し、適切な運動メニューを提供することが可能となる。これにより、適切な運動強度で運動を続けることが可能となり、運動を通じた健康増進や疾病の予防に貢献する。
以上、株式会社グレースイメージングは、医療ヘルスケア分野での新たな価値を創出するため、新技術の開発と普及に積極的に取り組んでいる。今後も同社のさらなる活動と成果に注目していきたい。