株式会社ダイモン、プレシリーズAで総額1.4億円を調達
uniqorns編集チーム 2023.07.13
東京都大田区に本拠を置く株式会社ダイモン(代表取締役:中島紳一郎)は13日、直近のプレシリーズAラウンドで総額1.4億円を調達したと明らかにした。このラウンドは株式会社ケップルキャピタル(代表取締役:神先孝裕)が運営するファンド「ケップルDX1号 投資事業有限責任組合」がリードし、複数の金融機関からも融資を受けた。
株式会社ダイモンは、2012年に設立され、超小型・超軽量の月面探査車「YAOKI」の開発を主軸に、月面ミッションに挑戦し、安価で高頻度に利用できる月面実験プラットフォームを提供している。初のミッションとして、2023年秋以降に米Intuitive Machines社の月着陸船Nova-Cに「YAOKI」を搭載し、月の南極付近に送り込む予定だ。
月面実証の実験では、搭乗者が定期的に月面を巡回し、センサーやモーター、バッテリー、通信機など、ロボットに必要な様々な要素技術の実験と、データ取得を行う。しかし現在、月輸送のコストは1kgあたり約1億円以上という相場となっており、大規模な機材になるほど実証実験にかかるコストも大きくなる。それはまた失敗時の損失リスクも大きくなることを意味する。
YAOKIは、その超小型・超軽量の特性を活かし、安価に、かつ高頻度に月面へ送り込むことが可能だ。月面での稼働実績を得ることで、より多くの企業が月開発に参入できる環境を提供する。さらに、株式会社ダイモンは、各企業が持つ技術やサービスが、今後拡大する月面市場で競争力を発揮できるよう、様々な企業に連携を呼びかけている。
株式会社ダイモンは今回調達した資金をもとに、より進んだ技術開発および次回以降のミッションの推進を図る。具体的には、米Astrobotic Technology社との月輸送契約締結に向けた交渉や、2024年以降の実施を予定しているミッションの準備などがある。また、組織の強化と、ロボット事業、教育エンタメ事業の拡大に向けた施策を進める。