睡眠時無呼吸症候群(SAS)を完全非接触で治療する医療機器の事業化を推進する株式会社マリ、3.4億円の資金調達

Image Credits:株式会社マリ

睡眠時無呼吸症候群(SAS)を完全非接触で治療する医療機器の事業化を推進する株式会社マリ、3.4億円の資金調達

uniqorns編集チーム 2023.12.22

京都大学イノベーションキャピタル株式会社(以下「京都iCAP」)(本社:京都市左京区、代表取締役:楠美公)を無限責任組合員とするイノベーション京都2021投資事業有限責任組合(以下「KYOTO-iCAP2号ファンド」)は、京都大学発スタートアップである株式会社マリ(以下「マリ」)(本社:京都市下京区、代表取締役:瀧宏文)に対する追加投資を実行した。

今回の投資の概要マリは、京都大学大学院工学研究科の阪本卓也教授、京都大学大学院医学研究科呼吸器内科学の平井豊博教授らとともに開発した技術を基に、睡眠時無呼吸症候群(SAS)を完全非接触で治療する医療機器の事業化を推進するスタートアップである。

SASは睡眠時に無呼吸・低呼吸状態を呈する睡眠障害である。日中の眠気や居眠り等による経済損失の原因となるほか、放置すると心不全・冠動脈疾患等の重篤な心血管系疾患につながる疾患であり、先進国を中心に世界で4億人超の患者がいるとの推計もある。

現在の主な治療法は持続陽圧呼吸療法(CPAP)であり、自覚症状も少ないこと等から治療の継続率が5割程度に留まり、結果としてSASの治療やより重篤な疾患への進展抑制が十分でなく、更には医療経済上の損失となっている課題があった。

マリは、阪本教授、平井教授らとともに、完全非接触の生体情報モニタリング技術によるSAS治療機器を開発してきており、その開発を推進している。

京都iCAPは、マリが開発する医療機器がSAS患者の福音となる事が期待されることと今後の更なる活発化が期待される京都大学発の医工連携の事例となりえることを評価し、MedVenture Partners他3社と協調して、総額約3.4億円の第三者割当増資のうち1億円の追加投資を行った。