組込み型フラッシュメモリ開発のフローディアがシリーズDにて10.5億円を調達ー累計資金調達額は約49.5億円に

Image Credits: 株式会社フローディア

組込み型フラッシュメモリ開発のフローディアがシリーズDにて10.5億円を調達ー累計資金調達額は約49.5億円に

uniqorns編集チーム 2023.10.11

組込み型フラッシュメモリのIPコア開発する株式会社フローディア(本社:東京都小平市、代表取締役社長:奥山幸祐、以下「フローディア」)は、シリーズD投資ラウンドにおいて約10.5億円の資金調達を行った。

今回の資金調達では、ファーストクロージングとして稲畑産業株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:稲畑 勝太郎、以下「稲畑産業」)と香港の投資会社であるCypress Capitalが、合計8.5億円の増資を引き受けた。2023年3月に実施した日本政策金融公庫からのベンチャーデット(新株予約権付融資)による2億円の調達を含め、今回のラウンドにおける総調達額は約10.5億円になった。

フローディアは今回調達した資金を使って、主力事業である組込みフラッシュメモリIPコアの半導体メーカーなどへの販売に向けた営業活動の強化と、フラッシュメモリの素子を応用した超低消費電力のAIアクセラレーターチップの開発加速を図る。

今回のラウンドに参加した稲畑産業は、情報電子、化学品、生活産業、合成樹脂の部門で広く海外で事業を展開しており、そのネットワークを活用してフローディアの海外営業を支援する予定である。

フローディアは、不揮発性メモリ(電源を切ってもデータを維持するメモリ)の一種であるフラッシュメモリの製造に必要な工程や回路設計を、知的財産(IP)として半導体メーカーにライセンス提供する事業を展開している。フローディアのフラッシュメモリIPコアは、主にマイコン、パワー半導体、センサー等に利用されており、従来のフラッシュメモリIPコアに比べて消費電力が大幅に低い上、低コストでチップに統合することができる。フローディアが開発した「G1」というフラッシュメモリIPは、東芝デバイス&ストレージ株式会社のマイコンに採用され、台湾の半導体ファウンドリであるTSMCでの試験では125℃で10年間データを保持できる品質基準に合格し、200℃でも同様の試験を行い、10年間データを保持できる世界最高水準の品質レベルであることが確認されている。

これまでに、INCJや大手ファウンドリUMC傘下のUMC Capital(台湾)、Faraday Technology(台湾)、帝人株式会社などから約39億円の資金調達を行ってきたフローディア。今回のラウンドでの調達額を加えると、これまでの累計資金調達額は約49.5億円になる。