藤森工業、新規事業領域への一歩としてマイキャン・テクノロジーズ株式会社へ出資――出資額は4,998万円に
uniqorns編集チーム 2023.06.30
文京区東京に本拠地を持つ藤森工業株式会社は30日、新たな成長分野への投資活動の一環として、再生医療技術を用いた細胞培養技術に強みを持つマイキャン・テクノロジーズ株式会社への出資を完了したことを明らかにした。投資は4,998万円を投じ、6月21日に完了した。
マイキャン・テクノロジーズ株式会社は化学素材の塗加工技術を活かしたフィルム製品や包装材料を、多様な市場・お客様へ提供してきた企業である。近年では、ワクチンや抗体医薬などのバイオ医薬品製造に不可欠なシングルユース製品「BioPhaS®/バイファス®」を展開し、多数の医薬品関連企業へ提供している。さらに、独自に開発した培養装置「Tres Cuna™/トレスクーナ™」を中心に、ヒトiPS細胞や間葉系幹細胞、線維芽細胞など各種細胞の大量培養プロセス開発や事業化を推進している。
一方、マイキャン・テクノロジーズ社は再生医療技術を活用した研究用血球細胞の製造技術を持つバイオベンチャーであり、iPS細胞からMylc細胞と呼ばれる細胞を効率的に分化誘導させて大量に培養することに成功し、この細胞の製品化を進めている。
藤森工業は今回の出資を通じて、マイキャン・テクノロジーズ社の開発製品であるMylc細胞の培養を受託製造することで、新たな事業領域である細胞培養事業を本格的に拡大する方針を明らかにした。既存の製品ラインとの相乗効果を最大限に引き出すことで、バイオ医薬品製造領域における事業競争力の強化とともに、再生医療領域における一層の事業拡大を図る考えだ。