株式会社フォワード、生成AIを活用した転職サービスを展開開始――シードラウンドで7,600万円を調達
uniqorns編集チーム 2023.07.24
ビジネススキルのオンライン教育とキャリアコンサルタント業を手掛ける東京・渋谷に本拠を置く株式会社フォワードは、特許出願中のデータ整形技術を活用した生成AIと転職・キャリアアップの組み合わせサービス2種を開始したと発表した。その最新ラウンドでは、East Venturesがリードした投資家と企業により、合計5,100万円を調達。これに日本政策金融公庫ときらぼし銀行からの創業融資2,500万円を加えた、シードラウンドでの調達額は7,600万円となった。
株式会社フォワードは名古屋考平氏(現・代表取締役)らによって設立され、政府の「三位一体の労働市場改革の指針」に一体となって取り組んでいる。政府の優先課題である「構造的賃上げ」を実現するためのアクションを民間企業にも期待しており、同社は特に「リスキリング(学び直し)」、「日本型職務給(ジョブ型)の導入」、「成長分野への円滑な労働移動」に注力している。
新たに開発したサービスには、「キャリアフォワード」と「レジュメフォワード」の2つがある。前者は、生成AIを活用した適職診断と求人情報提供サービスで、年収相場や業種・職種、求められるスキルなどを解説し、ユーザーに最適化された求人情報を提供する。後者は、7つの質問に回答するだけで最短5分で職務経歴書の下書きが完成するサービスである。どちらのサービスも、数回のタップでプロのキャリア相談(初回無料)を簡単に予約することが可能である。
フォワードは今回の調達により、サービスを通じて応募したユーザーに対してキャリアコンサルティングや有料職業紹介業を推進し、サービス利用者が増加するにつれて転職志望者のデータベースを活用した新たなビジネスも展開予定である。具体的には、ユーザーが求人情報を見るだけでなく、企業側からスキル保有者への求人オファーを送る機能も実装する予定で、LINEメッセージ機能を活用して開封率を向上させることで、求めている人材へのアプローチが効率化され、成約率が上昇する見込みである。
同社は「転職市場が一方向から二方向へと変わることで、労働者にとってはチャンスが増え、企業にとっては労働力をより効率的に獲得できる」と述べている。また、キャリアコンサルタント業を通じてユーザーのキャリア観を深め、社会全体の「リスキリング」を推進するとともに、転職を志望するユーザーに対する個別のケアを通じて「成長分野への円滑な労働移動」を実現することを目指している。
そして、今回の資金調達を通じて、システムの開発と運用、新サービスの開発や、ユーザー獲得のためのマーケティング活動の強化を進める予定である。特に、AI技術を活用した新たなキャリアサービスの開発や、既存のビジネスモデルを拡張するためのサービス開発を推進していくと述べている。
今回のシードラウンド調達により、同社は転職市場の変革に向けて大きな一歩を踏み出した。将来的には、労働者が自身のキャリアをより自由に、そしてより意義あるものにするためのサービスを提供し続けることが期待されている。