3DスキャンアプリPolycam、シリーズAで1,800万ドルの資金調達

Image Credits:Polycam

3DスキャンアプリPolycam、シリーズAで1,800万ドルの資金調達

uniqorns編集チーム 2024.02.07

Polycam(https://poly.cam/)は、スマートフォンのセンサを使用して物体の3Dスキャンを行うアプリで、AdobeやYouTube共同創業者のChad Hurleyなど、著名な投資家から資金を調達している。

Polycamは、Left Lane Capitalをリードとする1,800万ドルのシリーズAラウンドをクローズしたことを発表した。この資金は、新しい3D編集とコラボレーション機能の開発、3DオブジェクトのレンダリングのためのAIモデルのトレーニング、新たな市場の拡大をサポートするとのことである。

Polycamは2021年初頭にChris HeinrichとElliott Spelmanによって設立された。彼らはUbiquity6で共に働いていた際に出会い、モバイル3DスキャンとARテクノロジーを開発しているスタートアップだった。HeinrichとSpelmanの両氏は、最新のiPhoneに搭載されたLiDARセンサなどのハードウェアによって可能になった3Dキャプチャが、一般のユーザーにも3Dコンテンツ作成の扉を開くと信じていた。

Polycamは、様々なユースケースに対応するために、スイートを提供している。
• LiDARセンサを搭載したiPhoneでは、Polycamはユーザーの周囲(自宅の部屋など)を3Dスキャンすることができる。
• モバイルデバイスとウェブで利用可能な「写真モード」では、フォトグラメトリ(画像のキャプチャとステッチング)を使用して物体の3Dモデルを作成する。
• Polycamは、スマートフォンのカメラで「フォトスフィア」や360度のスカイボックス画像をキャプチャすることができる。
• また、ユーザーがキャプチャすることなくプロジェクト(例えば、ビデオゲーム)にモデルを組み込むための、Polycamコミュニティからの無料3Dモデルのライブラリも提供している。


Polycamは、プロのユーザーを対象とした高度な機能の年間サブスクリプションを100ドルで提供して収益を上げている。
現在、スマートフォンを利用した3Dオブジェクトキャプチャのためのアプリは数多く存在している。しかし、確かにPolycamは、市場の統合によって恩恵を受けた。NianticがScaniverseを買収し、DiscordがUbiquity6を、SnapがTh3rdを買収したことがその証拠である。

今日、Polycamは約10万人の有料ユーザーを抱え、iPhoneとAndroidのアプリは1,000万回以上ダウンロードされている。

PolycamはAppleのARヘッドセットであるVision Proにも展開していく予定であり、これが同社の今後の重点領域となるとHeinrich氏は語っている。また、Polycamは3Dオブジェクトスキャンのプロセスで見逃された欠損部分をAIモデルで埋めるトレーニングも行っており、Heinrich氏によれば、これによりPolycamのスキャンの総合的な品質が向上するとのことである。