AIを用いた野火検出スタートアップ、Pano AIが2000万ドルのシリーズAに更に1700万ドルを追加

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AIを用いた野火検出スタートアップ、Pano AIが2000万ドルのシリーズAに更に1700万ドルを追加

uniqorns編集チーム 2023.07.10

人間の操作もしくはスキャンモードで動作する高解像度リモートカメラを設置するという解決策を提供しているAIスタートアップ、Pano AI。同社のAIは、映像から煙と火を検出し、何かを見つけた場合は警報を発する。Pano AIは先日、オレゴン州ヤムヒル郡のカッチ山近くで発生したKutch Road Fireの早期警告を送ることができ、初めての911番通報から14分も早く火災を検出・警報を発することができたという。

早期検出と警報の高い精度が組み合わさることで、緊急対応チームは必要がない時にはヘリコプターやブルドーザーを安全に停めておくことができるし、Pano AIのシステムがなければできない時間よりも早く、火災の方向にこれらの資源を移動させることができる。

Pano AIは、今年のシリーズAの拡大ラウンドで1700万ドルを調達し、昨年の2000万ドルのシリーズAよりも僅かに高い評価額であったと述べている。この拡大ラウンドはValor Equity Partnersがリードし、T-Mobile VenturesとSalesforceが戦略的な投資家として追加された。

同社は、自社の5Gネットワークと共に、ハードウェアを取り付けるための同じマストを使用するT-Mobileとのパートナーシップが特に注目に値するとしている。同社のビジネスモデルは興味深い:Pano AIはカメラとインフラを所有し、そのソフトウェアのライセンスを企業や組織に販売している。現在、Pano AIの顧客の大部分は電力会社、プライベートな土地所有者(スキーリゾートなど)、地方や地域、連邦レベルの政府の火災対策機関であるという。Pano AIの顕著な顧客にはPacifiCorp、Xcel Energy、Portland General Electric(PGE)、Holy Cross Energy、Big Sky Fire Department、Aspen Fire Protection District、Telluride Fire Protection District、Boulder County、Washington DNR、Forestry Corporation of NSW(オーストラリア)、Southern Cross Forests(オーストラリア)、Noosa Council's FireTech Connect Program(オーストラリア)などが含まれる。

Pano AIのビジネスモデルは、その独自の技術を用いて新たなソリューションを提供することにより、火災予防と早期警告の重要性を補完するように設計されている。それは適切な情報を提供し、資源の最適な配分を可能にすることで、火災が広がる前に対応を開始できるようにする。

それはまた、企業がそのリスクをよりよく管理することを可能にし、大規模な火災のコストと被害を大幅に減らすことができる。そして、彼らがその目的を達成するために必要な道具を提供することで、彼らが持続可能で効率的なビジネスを構築するのを支援する。

Pano AIは、その技術が広範囲な顧客基盤に受け入れられ、その成果が明確に見えるようになるにつれて、ますます成長し続けると予測されている。これにより、同社はその製品とサービスをさらに向上させ、顧客に対する価値を最大化し、そのビジネスをさらに拡大するための可能性を提供するだろう。