AIスタートアップのInflection AI、MicrosoftやBill Gatesらから13億ドルを調達——累積調達額は15.25億ドルに

「人々にとってのパーソナルAIを創造する」ことを目指すスタートアップ企業、Inflection AIが最新のラウンドで13億ドルの資金を調達したことが明らかになった。このラウンドはMicrosoftがリードし、Reid Hoffman、Bill Gates、Eric Schmidt、そして新規投資家であるNvidiaが参加した。

Inflection AIは、Googleが所有するAI研究所DeepMindの共同創業者である現CEOのMustafa Suleyman氏によって設立された。

カリフォルニア州パロアルトに拠点を置くInflection AIは、これまでに35人ほどの小規模なチームを保有しており、今日までメディアへの露出を最小限に保ってきた。しかし5月には、Inflectionが開発したPiが発表され、一般の人々の関心や必要に基づく知識を提供するという。Piはメッセージングアプリやオンラインで試すことが可能で、Inflectionによれば「優しく」、「支える」ような存在であるという。

Inflectionが先日発表したInflection-1というAIモデルは、Piのパワーソースであり、OpenAIのGPT-3.5やGoogleのPaLM-540Bなどといったモデルと同等あるいはそれ以上の性能を持つとされている。企業からの結果によれば、Inflection-1は中学・高校レベルの試験問題や「常識」ベンチマークなど、さまざまな指標で高い性能を示している。しかし、コーディングにおいてはGPT-3.5に後れを取り、更にOpenAIのGPT-4と比較すると大きな差を見せている。

より大規模で能力の高いモデルを追求するため、Inflection AIはNvidiaとGPUクラウドプロバイダーのCoreWeaveと協力して、世界最大級のAIトレーニングクラスターを構築する作業を行っていると述べている。このクラスターは、22,000のNvidia H100 GPUを含むものだ。

資金は十分に揃っていると思われる。最新のトランシェの締結により、Inflection AIは累計調達額が113億ドルに達したOpenAIに次ぐ、二番目に調達額が大きい生成型AIスタートアップとなった。その他のスタートアップと比べても、Anthropic（15億ドル）、Cohere（4.45億ドル）、Adept（4.15億ドル）、Runway（2.37億ドル）、Character.ai（1.5億ドル）、Stability AI（約1億ドル）などはInflection AIに大きく引き離された。