AI保護ツール開発のProtect AI、Evolution Equity Partnersらから約3500万ドルを調達
uniqorns編集チーム 2023.07.26
AIセキュリティツール開発のスタートアップ、Protect AIは、シリーズAラウンドで約3500万ドルを調達したと26日に発表した。このラウンドはEvolution Equity Partnersがリードし、Salesforce Ventures、Acrew Capital、boldstart ventures、Knollwood Capital、Pelion Venturesが参加した。
Protect AIは、AWSやOracleでの勤務を経て、AI開発プラットフォームであるDataScience.comを立ち上げ、後にOracleに買収されたイアン・スワンソン氏とダリャン・デグアンピシェ氏により2022年に設立された。同社は「AIの価値を認識しながらも、そのシステムに内在するリスクを認識し、より安全なAIパワードの世界を構築する助けをする」ことを使命としている。
同社はAIのセキュリティにおける「弱点」に対処するさまざまなサービスを提供しており、その中でも主力のAI RadarはAIモデルの構築に用いられる各種コンポーネントを可視化し、「機械学習の材料リスト(MLBOM)」を生成するツールである。このAI Radarにより、エンタープライズ内のすぐに利用可能なすべての機械学習モデルのMLBOMをスキャンし、脆弱なソフトウェアを使用しているパイプラインを見つけることが可能となる。
また、Protect AIはAIの攻撃を防ぐためのツールとして、Jupyter Notebookからのドキュメントをスキャンする機能も提供している。これにより、Pythonベースのランサムウェアや暗号通貨マイニング攻撃に対して脆弱になり得る不適切にセキュアなJupyter Notebookファイルを調査することができる。
今回の調達資金は、Protect AIのプラットフォームの能力強化、研究努力の拡大、新たなオープンソースプロジェクトの立ち上げに活用される予定である。また、スワンソン氏は年末までに現在の25人から40人へと従業員数を増やす計画を明らかにしている。
Protect AIは金融サービス、ヘルスケア、ライフサイエンス、エネルギー産業のプライベートセクターや公共セクターの顧客を持ち、AI防衛セキュリティツールの新興領域で競争優位性を持つことに成功していると主張している。これにより、AIの導入が進むと同時に、「AIのリスクをどのように軽減するか」という問いに答える役割を果たすことができる。