「アスタチン(At-211)を用いた標的α線核医学治療」を世界のがん患者に届けることを目指すアルファフュージョン株式会社、シリーズBラウンドにて10.2億円の資金調達を実施

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「アスタチン(At-211)を用いた標的α線核医学治療」を世界のがん患者に届けることを目指すアルファフュージョン株式会社、シリーズBラウンドにて10.2億円の資金調達を実施

uniqorns編集チーム 2024.10.08

アルファフュージョン株式会社は、シリーズBラウンドにて総額10.2億円の第三者割当増資を実施した。本調達には、新規参画となるベンチャーキャピタル(VC)としてSBIインベストメント株式会社と、既存株主である大阪大学ベンチャーキャピタルがリードとなり、三井金属鉱業株式会社(Mitsui Kinzoku-SBI Material Innovation Fund)、神戸大学キャピタル(KUC1号投資事業有限責任組合)、常陽キャピタルパートナーズ(つくばエクシード2号投資事業有限責任組合)、D3 LLC (D3バイオヘルスケアファンド1号投資事業有限責任組合)、日揮株式会社(日揮みらい投資事業有限責任組合)が参画している。

この資金調達の目的は、日本が世界にリードする革新的ながん治療法を一日も早く世界に届けることである。株主と連携し、研究開発とサプライチェーン構築を最大限に加速する方針である。

アルファフュージョンは、「アスタチン(At-211)を用いた標的α線核医学治療」を世界のがん患者に届けるために立ち上がったスタートアップであり、アスタチン創薬の臨床パイプラインを有するリーディングカンパニーとしての地位を確立している。

アスタチン創薬は、短寿命でありながらも臨床上の安全性が高く、ハロゲン核種ゆえの低~中分子に共有結合で直接導入可能という特性を持っている。これにより、原料の入手が容易であり、サイクロトロンによる製造がしやすいという利点がある。特に、標的α線核医学治療(TAT)は、創薬プラットフォームとして多くの薬剤を創出する基盤となることへの期待が大きい分野であり、今後の発展が見込まれる。

最近、欧米ではアクチニウム(Ac-225)のパイプラインを有するスタートアップが、グローバルメガファーマによって数千億円単位で買収される事例が相次いでいる。これにより、これまで放射性医薬品に投資してこなかった企業も一挙にTAT領域でのパイプライン獲得とサプライチェーンの構築に動いている。

今回の資金調達を通じて、アルファフュージョンはさらなる研究開発を進め、企業主導の臨床試験の準備を進めることを目指している。また、国内外での治験薬GMP製造体制の強化やチーム体制の拡充も行い、アスタチン創薬の強みを事業成果とエビデンスで示していく方針である。

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