iPS細胞由来の卵子を利用した生殖補助医療の開発を目指す株式会社Dioseve、シリーズAラウンドにて総額10億円の資金調達を完了
uniqorns編集チーム 2024.06.28
iPS細胞由来の卵子を利用した生殖補助医療の開発を目指す株式会社Dioseve(本社:東京都江東区、代表取締役:岸田和真)は、リード投資家のSpiral Capital、Archetype Venturesと既存投資家のANRI、DG Daiwa Ventures、あすかイノベーション投資事業有限責任組合、北陸地域ベンチャー投資事業有限責任組合と個人投資家を引受先とした第三者割当増資により、シリーズAとして総額で10億円の資金調達を完了した。今回の資金調達により、同社パイプラインの研究開発や、グローバル展開も含めた人員拡充を推進していく。なお、本シリーズAラウンドの資金調達により、同社の累計資金調達額は約14.2億円となる。
株式会社Dioseveは同社共同創業者であるUniversity of Washingtonの浜崎伸彦氏らが発明した独自技術であるDIOLs(Directly Induced Oocyte-like cells)を用いて不妊治療法の開発を行っている。本技術はiPS細胞を短期間で安価に、かつ大量に卵子(卵母細胞)に分化誘導することができる画期的な発明であり、国際学術雑誌Natureに掲載された新規性の高い技術である。同社は本技術を応用することで、人々が年齢や体質に関係なく子供をもつことができる社会を目指している。
同社のパイプラインは、「DIOLs」という、同社共同創業者の浜崎らによって開発された卵子(卵母細胞様細胞)作製技術による新規不妊治療法の提供である。この方法は、iPS細胞に幾つかの遺伝子を導入し、短期間に卵子を作製する方法であり、既存の卵子作製技術で必要不可欠であった高額な成長因子や高度な手技を必要とせず、安価かつ大量に卵子を作製することができる。
現在の生殖補助医療は約50年前の体外授精の発明以後、際立った技術革新が起きておらず、妊孕性は夫婦、カップルの体質や年齢に大きく依存する。そのため、「妊娠適齢期を前提にしたライフプラン」や「キャリアか子供かの二者択一」を迫られる女性が多くいる。本技術を生殖補助医療として応用することによって、全ての夫婦やカップルが「子供ができるか分からない」という不安や、妊娠の適性年齢という制約から解放され、それぞれが望むタイミングで母親になる選択肢を提供する。