Image Credits: 株式会社elleThermo
未利用熱による発電を目指す株式会社elleThermo、プレシリーズAにて3.6億円の資金調達を実施
uniqorns編集チーム 2024.09.05
未利用熱による発電を目指す株式会社elleThermo（エレサーモ）は、プレシリーズAをクローズし、株式会社慶應イノベーション・イニシアティブ（KII）をリード投資家として、既存投資家である株式会社みらい創造機構に加え、新たに株式会社環境エネルギー投資、三菱UFJキャピタル株式会社、みずほキャピタル株式会社、ヒューリックスタートアップ株式会社、KDDI Green Partners Fundを引受先とし、総額3.6億円の資金調達を実施した。
この資金調達は、製造設備への投資やビジネス人材・エンジニア人材の採用を通じて、電池の出力向上に取り組むために用いられる予定である。
株式会社elleThermoは、STC技術の社会実装を目指し、世界のエネルギー問題解決に寄与することを目的として設立された。
半導体増感型熱利用電池STCとは、化学系太陽電池である色素増感型太陽電池において、「色素の光励起」を「半導体の熱励起」に変えて発電する熱エネルギー変換技術である。この技術の最大の特徴は、室温程度の低温度帯に存在する熱を利用して発電できる点である。一定温度下において化学平衡状態に到達すると発電が終了するが、スイッチを切って電力を取り出さない状態での平衡系に移行させることで、再度放電することが可能となる。
これまでに恒温槽の熱を利用したBluetooth通信や、鉱山の熱によるリチウムイオン電池の充電など、幅広いユースケースが報告されている。STCの技術は、未利用熱を直接電力に転換することができるため、エネルギー問題解決に向けた大きな可能性を秘めている。
また、安全かつ資源に頼らないエネルギー問題・資源問題の解決を目指しており、STC技術を活用することで、室温以上の未利用排熱で電力を生み出し、安定した発電システムを世界に届けることを目指している。
