KPMG、Microsoftとの提携強化で20億ドルをAIへ投資―潜在的な成長機会は120億ドル以上に

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KPMG、Microsoftとの提携強化で20億ドルをAIへ投資―潜在的な成長機会は120億ドル以上に

uniqorns編集チーム 2023.07.24

ビジネスサービス業界の大手、KPMGとMicrosoftが、労働力の近代化、安全な開発、人工知能(AI)ソリューションを通じたプロフェッショナルサービスの強化に向けて、その協力関係を拡大することを発表した。この新たな数年間にわたる提携は、監査、税務、アドバイザリーの各分野におけるKPMGの顧客エンゲージメントを合理化することを目指している。

KPMGは、この協力の一環として、今後5年間でMicrosoftのクラウドとAIサービスに20億ドルの投資を行う計画であり、これによりKPMGは120億ドル以上の潜在的な成長機会を見込んでいる。

この提携を通じて、KPMGの26万5,000人以上のグローバルなプロフェッショナルは、Microsoft CloudとAzure OpenAI Serviceの広範な機能を活用し、創造性を発揮し、分析を迅速化し、戦略的指導により多くの時間を割くことが可能となる。

また、KPMGは、Microsoft 365 CopilotとAzure OpenAI Serviceの早期アクセスパートナーとして、各分野の専門知識、洞察力、経験をこれらのテクノロジーと統合し、AI主導のデジタルソリューションの開発を促進、クライアントとのエンゲージメントを高めることを目指している。

KPMGはまた、スマート監査プラットフォーム「KPMG Clara」を通じて、データアナリティクス、AI、Azure Cognitive Servicesを監査プロセスに連携することを明らかにした。これにより、同プラットフォームの8万5,000人以上の監査専門家が、よりリスクの高い分野やセクター特有のリスクや課題に集中することが可能となる。

KPMGは今回の投資をもとに、Microsoftと共同でAIソリューションを開発し、ESGデータを分析、パターンを特定、そしてESG税の透明性レポートを迅速に作成することを可能にする。

さらに、ジェネレーティブAIを搭載した「バーチャルアシスタント」の導入と、新たなクライアントサービスモデルの確立も予定している。

同時に、AI対応のアプリケーション開発とナレッジプラットフォームをMicrosoft Azure上に構築する計画も発表された。このプラットフォームは、アドバイザリー領域において、顧客に合わせたソリューションの開発を加速させることを目指している。

KPMGは、このアプローチが倫理とセキュリティを最優先しつつ、クライアントの競争優位性と収益性を強化することを可能にすると語っている。

この協力拡大の詳細について語るKPMGのビル・トーマスCEOは、「我々の顧客は現代の複雑なビジネス環境に対応するために、テクノロジーの力を活用したいと考えている。この提携を通じて、我々はMicrosoftのテクノロジーを用いて、顧客に対して具体的な解決策を提供し、そのビジネスを変革する手助けができるだろう」と述べている。

MicrosoftのJudson Althoff氏もまた、「KPMGの広範な業界知識とMicrosoftのテクノロジーの強さを組み合わせることで、共にクライアントの成功を最大化する新たな機会を創出できる。今回の提携は、我々が互いに協力し、共同でソリューションを提供することで、クライアントの変革を実現する大きなステップである」とコメントしている。