Nile、SaaSアプリケーション向けにPostgresを搭載したデータレイヤーを構築するため、1,160万ドルのシード資金を調達

Nileは、サーバーレスPostgresを中核としたこのデータシステムを作成することを目指すスタートアップであり、SaaSが新しいデータシステムを必要としている。Nileの共同創設者である元Confluentのクラウドエンジニアリング責任者であるSriram Subramanianと、元ConfluentのKafkaチームのエンジニアリングリードであるGwen Shapiraによって設立されたNileは、マルチテナンシーをサポートする組み込みの新しいデータソリューションを構築している。

同社は、BenchmarkのEric Vishriaをリードインベスターとする1,160万ドルのシード資金調達を発表した。

Nileは、SaaS企業が核となるデータレイヤーを持っているというアイデアに基づいており、SaaS企業はB2BまたはB2Cのどちらであっても、ある形式でマルチテナンシーに対応する必要がある。

これまでは、スパイクに対応できるようにサーバーを過剰に設定するか、特定の顧客を独自のデータベースやクラスターに移動させてセキュリティとパフォーマンスのために分離するという方法が一般的だった。

Nileはこの問題を解決しようとしている。すべてのSaaS企業がデータベースとその周りのデータに関連する問題をアプリケーションの問題として解決してきたとチームは主張している。Nileは、Postgresソリューションの中核にマルチテナンシーを組み込むことで、データレイヤーをコンピュートレイヤーから分離している。これにより、ユーザーは仮想テナントデータベースを共有コンピュートサービスに接続したり、専用のコンピュートノードをアタッチしたりすることができる。開発者はアプリケーションがどのデータベースと通信する必要があるかを定義するだけで、Nileはセッションレベルおよび接続レベルでの分離を提供する。

Nileのサービスは、開発のスピードを向上させるだけでなく、開発者がマルチテナントを管理するためのシステムや、認証レイヤーを自分で構築する必要がないため、コストを削減できると主張している。さらに、テナントが異なる場所にある場合でも、データベースを単一の場所に集約し、水平シャーディングを通じてスケーリングを容易にすることができる。

また、Nileはユーザー管理、顧客ダッシュボード、AIユースケースのためのベクトル埋め込み（pgvectorに基づく）などの機能も提供している。同社は限定無料プラン（現在はウェイトリストになっています）を提供しており、有料プランも現在開発中である。