OurSky、宇宙データの開発者向けプラットフォーム構築のため950万ドルのシード資金を獲得

L.A.ベースのスタートアップ、OurSkyは、ソフトウェアプラットフォームとグローバルな望遠鏡ネットワークを通じて宇宙観測データにアクセスし、解析することを目指している。同社は、Upfront Venturesをリードとする投資家から950万ドルのシードラウンドを獲得したことを発表した。

CEO兼共同創設者のダン・ローカーは、OurSkyを開発者向けのAWSやweb3開発プラットフォームであるAlchemyにたとえた。「Alchemyは、開発者がデータを簡単に取得し、必要な方法で処理できるプラットフォームを提供していました。自分たちの場合は、望遠鏡ネットワークを立ち上げることなく、OurSkyプラットフォームにデータの取得と処理をプログラムするだけです。これは非常に困難ですが、すべてが抽象化されているため、データを取得して望むように処理するだけです」と述べた。

OurSkyは、スペースシチュエーショナルアウェアネストラップスから衛星運営業者まで、さまざまな企業が利用できる、開発ツールとオープンAPIを提供するとしている。

OurSkyは2022年10月にダン・ローカーとシリアルテクノロジーエンタープレナーのアレックス・ホーキンソンによって設立された。ローカーはソフトウェアの経験が豊富で、BAEシステムズやレイセオンに買収されたリバースエンジニアリングハッカーグループをいくつか設立し、2015年から2019年までSpaceXのソフトウェアエンジニアリングVPを務め、NFTマーケットプレイスOpenSeaのエンジニアリングVPにも参加している。

OurSkyは、世界最大の望遠鏡ネットワークを構築するという異なる課題に取り組んでいる。同ネットワークは、OurSkyが所有し展開する望遠鏡、非常に高価な望遠鏡を所有しているプロアマコミュニティ（数十万ドルの価値のある非常に能力の高い望遠鏡を持っている人々）、およびより大規模なアマチュアコミュニティからの望遠鏡の3つのソースを持っている。

同スタートアップはすでに、世界中の9か所に展開された30の望遠鏡を所有しており、約35人のアマチュア天文学者をネットワークに参加させている。同社は、アマチュアをプラットフォームに引き付けるためにさまざまなインセンティブを利用しており、アストロフォトグラファー向けの画像スタッキングなど、それ以外は複雑で時間のかかる機能への無料アクセスなどが含まれている。

今回のラウンドにより、OurSkyは単に多数の望遠鏡を購入する計画ではないと述べており、メンテナンスコストは高額であるとしている。その代わりに、既存のインフラストラクチャに結びつけることで、共同ネットワークを構築している。これにより、OurSkyは複雑なハードウェアに悩まされることなく、ネットワークを拡張できるとしている。

同社は現在15人体制で、6か月程度で20人体制に拡大する予定だという。ローカーによれば、この段階的な成長は、市場の発展に合わせて資本を適切に配分するためのOurSkyの戦略の一部であるという。「この投資を長期的に賢く活用するためには、資本効率が重要です。ネットワークを構築するだけでなく、市場が1〜2年後にどのように発展するかにも対応できるようにする必要があります。市場の進化に合わせて対応できるだけの資本を確保するために、十分な資金を持っていることを確認したかったのです」とローカーは述べた。