日本初のDirect Air CaptureスタートアップのPlanet Savers株式会社、シードラウンドにて2.5億円の資金調達を実施

Image Credits: Planet Savers株式会社

日本初のDirect Air CaptureスタートアップのPlanet Savers株式会社、シードラウンドにて2.5億円の資金調達を実施

uniqorns編集チーム 2024.04.30

「気候変動を食い止め、次世代に美しい地球を残す」をミッションに掲げる東京大学発のDirect Air Captureスタートアップ、Planet Savers株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役:池上京)は、Spiral Capital株式会社(Spiral Capital Japan Fund 3号投資事業有限責任組合)とジャフコ グループ株式会社(ジャフコV7投資事業有限責任組合、ジャフコSV7-S投資事業有限責任組合)の2社から合計2.5億円の資金調達をシードラウンドで実施した。

Planet Saversは「2050年に年間1ギガトン(10億トン)のCO₂を回収し、気候変動解決のフロンティアランナーとなる」をビジョンとし、2023年7月に創業した日本初のDirect Air Capture:大気中CO2直接回収技術(以下DAC)スタートアップである。
Planet SaversはDACの実施に必要な①無機多孔質材料であるゼオライトをベースとした革新的な吸着材と②吸着材に最適化されたCO2回収装置開発に取り組んでいる。

気候危機回避の切り札として、人工的にCO2を空気中から直接回収するDACがネガティブエミッション技術(正味でCO2排出量がマイナスとなる技術)として注目を集めている。
マイクロソフトやレゴグループ等の大企業が積極的にDAC由来のカーボンクレジットを購入するとともに、ブラックロックのようなファンドも大型の投資を行うなど市場ができあがりつつあり、Economist誌等の試算では、2050年のグローバルの市場規模は5,000億ドル(約70兆円)に達するとされている。
しかしながら、技術的には未成熟で回収量も限られている上、$1,000/ton-CO2前後(1トンのCO2回収に1,000ドル)と多大な回収コストがかかるため、イノベーションが必要である。

同社はDACを商業化し気候変動から世界を救うべく、東京大学発の技術・知見を活かして開発する無機多孔質材料であるゼオライトをベースとした革新的な吸着材を用いて人工的にCO2を回収するDACシステムを開発し、回収コストを$100/tonまで下げ、CO2排出量実質ゼロ達成に貢献する。

今回の資金調達の用途は以下である。
1. DACシステムプロトタイプ完成
これまでの環境省、カーボンリサイクルファンド、PwC財団、三菱UFJ技術育成財団からの支援を下に、Planet Saversでは日本企業が開発した中で最大級のDAC設備(10kg-CO2回収/日)を本年5月に稼働予定である。
ただ、この設備はあくまで試験的なもので、グローバルスタンダードに追いついた1ton/日の回収量、高性能、そして低コストなDACシステムのプロトタイプを2025年中に完成させたいと考えている。
2. チーム強化
今後の研究開発の加速、事業拡大に向け、①CO2吸着剤研究開発を担当するサイエンティスト、②CO2回収装置を設計・試作する機械系・ものづくり・プラントエンジニア、③ビジネスを推進する事業開発、④CFO候補等、チームを拡大する。
3. 要素技術強化
プロトタイプ完成と並行し、2030年のDACによるCO2回収コスト$100/tという目標達成に必要な各種要素技術の開発を加速する。

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