分散型エネルギーの接続問題を解決するEX4Energy株式会社、シリーズAラウンドにて3.5億円の資金調達を実施
uniqorns編集チーム 2024.08.20
分散型エネルギーの接続問題を解決するEX4Energy株式会社がシリーズAラウンドにて3.5億円の資金調達を実施した。リード投資家には東京大学協創プラットフォーム開発株式会社、Archetype Ventures、三菱UFJキャピタル株式会社、DBJキャピタル株式会社などが名を連ねている。
この資金は、同社の情報通信基盤「Public Power HUB」の機能強化や人材採用に活用される予定である。
同社は、東京大学の研究成果を基に、接続問題を解決するための情報通信基盤「Public Power HUB(PPH)」を開発している。これにより、エネルギーサービス事業者と共同で実装を進めることで、分散型エネルギーの利活用を促進することを目指している。
「Public Power HUB」を活用した相互接続サービスについて、「powerhubコネクトサービス」は、各メーカーの接続仕様の差異を気にせず、太陽光発電や蓄電池などの分散型エネルギーと自社の監視制御システムを簡単に安価に接続可能となる。また、通信関連の接続仕様情報を登録する業務も含まれており、サービス事業者の負担を軽減する仕組みとなっている。
さらに、PPH-NOC(PPHネットワーク・オペレーション・センター)を通じて、サービス事業者のシステムと各分散型エネルギーが適切にメッセージを送受信できているかどうかを常時監視する体制も整えている。不具合が生じた場合には、障害区間の特定と対策を迅速に実施することで、信頼性の高いサービスを提供することが可能となる。
サービスのもう一つの大きな特徴は、セキュアな接続を実現することである。顧客のサイトに設置された太陽光発電や蓄電池は、同社のモバイル専用網を通じてインターネット網にアクセスせずにクラウドに接続される。この方式により、インターネットを通じたサイバー攻撃のリスクを回避することができるため、安心して利用できる環境が整っている。
今回調達した資金は、「Public Power HUB」の機能強化や人材採用に活用される予定である。
現在、太陽光発電システム事業者のオルテナジーとの共同開発や、大手エネルギー事業者との家庭用エネルギー機器の接続性を検証するプロジェクトも進行中である。これらの取り組みを通じて、分散型エネルギーの社会への浸透と新たなサービスの創出が期待されている。