あらゆる種類のリチウムイオン電池から重要鉱物を効率的にリサイクルする企業であるtozero GmbH、資金調達を実施
uniqorns編集チーム 2024.11.14
あらゆる種類のリチウムイオン電池(以下、LIB)から重要鉱物を効率的にリサイクルする企業であるtozero GmbH(本社:ドイツ)は、グローバル・ブレイン株式会社(以下、グローバル・ブレイン)の運営する、日揮みらい投資事業有限責任組合(以下、JGC MIRAI Innovation Fund)を通じて資金調達を実施した。
リチウムイオン電池は、電池材料としてリチウム金属酸化物を用い、リチウムイオンが正極と負極の間を移動することで充放電を行う方式の二次電池である。その高いエネルギー密度と軽量性から、電気自動車(EV)、定置用電池、スマートフォン、パソコン、ドローンなど、様々な用途に使用されている。しかし、リチウムイオン電池の原料となるレアメタルを取り巻く環境は、近年のグローバルサプライチェーンの不安定化やEVの普及に伴う供給不足の懸念から、ますます厳しさを増している。
さらに、欧州における電池規制や環境負荷の低減を求める社会的要請により、リチウムイオン電池のリサイクルの必要性は年々高まっている。
このような背景の中、tozeroは廃材として扱われているあらゆる種類のリチウムイオン電池を粉状にして「ブラックマス」とし、リチウムとその他の鉱物を分離し、リチウムの効率的な回収を目指す革新的なプロセスを開発した。
tozeroのアプローチは、回収した材料をサプライチェーンに再導入することで、新たなリチウムイオン電池の製造を支援し、循環型経済の促進に寄与することを目的としている。グローバル・ブレインはtozeroの高い技術力とリチウムイオン電池リサイクルの市場ポテンシャルを評価し、出資を決定した。今後は、日本市場への事業拡大を含め、多面的な支援を行うことでtozeroの事業成長に貢献する方針である。