極希少疾患の遺伝子治療開発に取り組む株式会社VC Gene Therapy、1億円の資金調達を実施
uniqorns編集チーム 2024.12.24
極希少疾患の遺伝子治療開発に取り組む株式会社VC Gene Therapy(代表取締役社長:高橋政代)は、立命館ソーシャルインパクトファンド投資事業有限責任組合から転換社債型新株予約権付社債による1億円の資金調達を実施した。今回の資金調達により、極希少疾患に対する遺伝子治療の開発を加速する。
VC Gene Therapyが遺伝子治療開発の対象としている網膜色素変性(Retinitis Pigmentosa:RP)は、遺伝性かつ進行性の網膜変性疾患であり、国内における視覚障害の中で緑内障に次いで2番目に多い疾患である。世界で約150万人、日本国内で約3万人の患者が存在するとされている。
RPにおいては、これまでに約200の原因となる遺伝子変異が報告されているが、変異と網膜変性との関連性については解明が進んでいない部分も多い。したがって、RPに対する治療法の確立は急務である。原因遺伝子に対する正常な遺伝子の補充や変性原因変異の除去を目的とした遺伝子治療の開発が進められているが、依然として治療法が確立されていない状況である。
2023年5月に遺伝性網膜ジストロフィーの原因遺伝子であるRPE65遺伝子の機能欠損を補う遺伝子補充療法「ルクスターナ®注」が日本で薬事承認を取得した。しかし、治療費が両眼で約1億円に達することから、医療システムの課題も浮き彫りになっている。このような背景から、VC Gene Therapyは、より多くの患者に質の高い遺伝子治療を届けるための研究開発を加速する必要があると認識している。
VC Gene Therapyは、神戸市立神戸アイセンター病院との共同研究体制を構築し、極希少疾患向けの遺伝子治療開発に注力している。現在、ロドプシン(RHO)遺伝子を対象としたゲノム編集技術を用いた治療法の開発を目指している。この取り組みにより、国内外で治療を待つRP患者に向けた「日本に来れば治療できるエコシステム」を構築することを目指している。