スペクトロニクス株式会社が東京大学協創プラットフォーム開発等より1億円の資金調達
uniqorns編集チーム 2024.03.07
東京大学協創プラットフォーム開発株式会社(本社:東京都文京区本郷、代表取締役社長:植田浩輔、以下「東大IPC」)が運営する協創プラットフォーム開発1号投資事業有限責任組合(以下「協創1号ファンド」)は、東京大学関連ベンチャーで「微細加工用レーザ」の開発・製造・販売をするスペクトロニクス株式会社(本社:大阪府吹田市垂水町、代表取締役社長 長岡由木彦、以下「SPX社」)に対して1億円の追加出資を行うことを決定した。
また、今回のSPX社への出資は、QBキャピタル合同会社(本社:福岡市早良区、代表パートナー:坂本剛、本藤孝)、ビアメカニクス株式会社(本社:神奈川県厚木市、代表取締役社長:清水秀晃)、株式会社みらい創造機構(本店:東京都渋谷区、代表取締役社長:岡田祐之)との共同投資となる。
SPX社は、先進レーザ技術で産業の革新に貢献することをミッションに、セラミックスやCFRP、樹脂などのハイテク材料への超微細加工を実現する、産業用パルスレーザ発振器、及びその応用機器を製造・販売している。
半導体や先端材料では、更なる小型化・高性能化が求められ、多様な材料への微細加工ニーズが益々高まっている。しかし従来のレーザー光の微細加工は、光の強さや、照射に伴う熱によるダメージ、低出力による効率の悪さなどの課題も多いのが現状だった。
SPX社はその課題に対し、独自性のある構造をもったピコ秒レーザ発振器の企画・開発を実現。特に技術的に難易度の高い深紫外266nmのレーザ光を高出力で長時間、安定的に発振可能な製品をグローバルで随一のレベルで(※)実現している。
※ 他社は355nmレベルの実現まで。
同社が参画している、東京大学物性研究所の小林洋平教授がリードする産学連携「TACMIコンソーシアム」(Consortium for Technological Approaches toward Cool laser Manufacturing with Intelligence)では、半導体製造に関する異なる強みを持つ国立大学法人東京大学、味の素ファインテクノ株式会社、三菱電機株式会社と共同で、次世代の半導体製造工程に必要な、パッケージ基板への6マイクロメートル以下という極微細レーザー穴あけ加工技術を開発した。現在用いられている回路基板の穴径は約40マイクロメートルだが、次世代半導体製造のためには、穴径が10マイクロメートル以下であることが求められており、このニーズに応える技術が誕生している。
また、2021年4月に長岡CEOが就任し経営体制を強化、半導体業界に注力し量産化体制を構築している。
東大IPCは、同社の技術・製品の独自性に着目し、2020年8月にリード投資家として出資した。そしてこの度、SPX社独自の超短パルス短波長レーザ発振器の市場導入の加速を目指し追加投資に至った。半導体や先端材料の微細加工ニーズに合わせた開発・量産体制・国内外の販売体制及び経営基盤の強化を図っていく予定である。