不動産コミュニケーションクラウド『Facilo』を開発する株式会社FaciloがシリーズAで12億円の資金調達を実施

Image Credits:株式会社Facilo

不動産コミュニケーションクラウド『Facilo』を開発する株式会社FaciloがシリーズAで12億円の資金調達を実施

uniqorns編集チーム 2024.02.21

株式会社Faciloは、シリーズAラウンドとしてグロービス・キャピタル・パートナーズ、Coral Capital、Angel Bridgeに対する第三者割当増資により12億円の資金調達を実施した。今回の資金調達により、同社は更に体制を拡充し、既存の物件購入向けプロダクトの新機能開発および活用支援を推進すると同時に、物件売却向けの新プロダクトの展開も進めるであろう。

アメリカでは、不動産の流通が盛んで仲介業がもっとも進んでいるとされ、ほぼ全ての取引に仲介営業が介在するようになっている。インターネットの浸透とともに中間業者が中抜きされる中、仲介営業の存在感は高まり続けている。これは、不動産売買という重要な取引において、営業担当の「人」ならではの価値を物語っている。同社は、AIやテクノロジーによって「人」の価値を補強し、提供価値を向上させることが重要であると考えている。

日本の不動産業界も、従来の新築主体から中古流通主体の市場にシフトしていくことが予想されており、仲介営業の重要性はますます高まっていく。日本の仲介営業が担う役割は多岐にわたり、その中でも「物件提案」が重要である。インターネットの浸透により、物件の購入検討者は大量の物件情報に簡単にアクセスできるようになり、新居探しの第一歩は不動産ポータルサイトでの物件問い合わせが一般的になった。

しかし、不動産は専門性の高い商材であり、顧客自身で情報整理しながら検討を進めることが難しい。そこで、不動産仲介においては担当営業の独自の物件情報網と、深い顧客理解および専門知識をベースにした物件提案が重要である。

物件提案は最も重要な情報源であり、営業担当の提案がスムーズに実施できないケースも見受けられる。営業担当は多くの案件を抱えているため、物件提案のための十分な時間を確保できず、提案がマーケットにある物件の一部に留まってしまうことが多い。また、物件購入検討者は営業担当から五月雨式に物件情報を受け取るため、混乱して検討をあきらめることもある。

株式会社Faciloは、不動産仲介の営業活動における機会損失を解消するために、不動産コミュニケーションクラウド『Facilo』を開発した。同プロダクトはクラウドとAIを活用し、仲介会社の業務効率化と物件提案のスムーズな実現を目指している。

このプラットフォームにより、顧客は整理された情報を基に直感的に検討を進めることができる。また、マイページ上でのリアクションを営業担当と共有することにより、顧客の希望条件や最適な物件をよりインタラクティブにすり合わせることができる。さらに、マイページ上でのスマホ申し込みにより、物件の見学段階においてもスムーズな申し込みが可能となる。

このプロダクトの導入により、不動産仲介における業務効率化と顧客体験の向上が実現され、成約率の改善も見られている。株式会社Faciloは、今後も導入企業と連携しながら顧客体験の向上に努めていく予定である。