株式会社digzyme、シリーズAラウンドにて7.3億円の資金調達が完了

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株式会社digzyme、シリーズAラウンドにて7.3億円の資金調達が完了

uniqorns編集チーム 2024.04.23

株式会社digzymeは、「世界を変える酵素を、迎えに行こう。」をミッションに、バイオインフォマティクスによる酵素開発技術を有する東京工業大学発のスタートアップである。
多種多様な酵素の探索や改良を短期間で行うことで、酵素を起点としたあらゆる事業成長への貢献を目指している。

2024年4月より、総額7.3億円の予算により、高機能な酵素ライブラリ”digzyme Designed Library”の構築に向けた開発を開始した。調達額には、SeriesA 1st & 2nd closeによる第三者割当増資を中心として、融資、及びNEDOディープテック・スタートアップ支援事業(DTSU)STSフェーズの助成金が含まれる。

同社ではすでに”digzyme Moonlight”、”digzyme Spotlight”という2つの強力な情報解析プラットフォームを構築してきた。これにより、ニーズに沿った酵素を迅速に探索・改変が可能である。
これまでは、酵素の用途のうち、精密発酵を出口とした、天然物や石油化学品の代替生産や廃棄物分解といった主に化学分野でのバイオプロセス開発を中心に実績を積み上げてきた。
本シリーズでの開発では、特に産業用酵素を出口とした、高機能な酵素のライブラリ(“digzyme Designed Library”)の製造を目的とする。
産業用酵素の用途は、食品・化学・洗濯用洗剤・繊維・バイオマスエネルギー・飼料・農業・体外診断・研究など多岐にわたる。
特に、物質合成の用途として、酵素法(無細胞系・セルフリー系)に活用されており、今後のさらなる製品市場としても注目されている。
同社はすでに、食品事業に向けて新たな体制を構築し、事業会社との連携も開始している。

産業用酵素の多くは微生物を培養した上清を精製することで大量生産されている。
従来の産業用酵素の開発は、天然の微生物を用いて製造することも多く、その開発はトライアンドエラーの繰り返しで、偶然への依存性が高いものであった。
そのため、一つのプロダクトを上市するためには、基礎研究・生産開発・量産開発を合わせて5–10年の年月がかかるため、近年の多様化したニーズに対して臨機応変に対応していくことが難しいという課題があった。

digzymeは、バイオインフォマティクスによるデザイン技術により、酵素の発見など基礎研究にかかる期間を約1/4に短縮することができるようになった。
digzymeは次なるステップとして、生産開発を高速化するソリューションである、”digzyme Designed Library”の開発を行う。
これにより、基礎研究・生産開発の期間を合わせて短縮することができる。
さらに、新規の酵素プロダクトを手軽に試すことができるようになるため、ニーズに応じたアプリケーション開発からの事業構築も行っていく。


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